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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

2023-01-01から1年間の記事一覧

【源氏物語387 第13帖 明石49】源氏は明石の君のもとを訪ねに行く。月夜の景色が美しい。紫の上が恋しい。この馬に乗って京まで行ってしまいたい源氏であった。

風流がりな男であると思いながら源氏は 直衣《のうし》をきれいに着かえて、 夜がふけてから出かけた。 よい車も用意されてあったが、 目だたせぬために馬で行くのである。 惟光などばかりの一人二人の供をつれただけである。 山手の家はやや遠く離れていた…

【源氏物語549 第17帖 絵合2】源氏は、朱雀院の贈り物の櫛の箱を拝見した。飾りの造花に御歌か書かれてあった。院の 前斎宮への恋心を思うと 心の痛くなるのを覚えた。

源氏はただ櫛の箱だけを丁寧に拝見した。 繊細な技巧でできた結構な品である。 挿《さ》し櫛のはいった小箱につけられた飾りの造花に 御歌が書かれてあった。 別れ路《ぢ》に 添へし小櫛をかごとにて はるけき中と 神やいさめし この御歌に源氏は心の痛くな…

【源氏物語548 第17帖 絵合 1】女院は前斎宮の入内を熱心に促しておいでになった。朱雀院は残念がっておいでになったが 当日に立派な贈り物が届いた💐

前斎宮《ぜんさいぐう》の入内《じゅだい》を 女院は熱心に促しておいでになった。 こまごまとした入用の品々もあろうが すべてを引き受けてする人物がついていないことは気の毒であると、 源氏は思いながらも院への御遠慮があって、 今度は二条の院へお移し…

源氏物語 第十七帖 絵合(えあわせ)〜源氏が後見する梅壺女御(前斎宮)と権中納言(頭中将)の娘の弘徽殿女御‥帝の午前で物語絵合せをする🪷

内大臣光源氏の後見のもと、 斎宮は入内して梅壺に入り女御となった。 若い冷泉帝は始め年上の斎宮女御になじめなかったが、 絵画という共通の趣味をきっかけに寵愛を増す。 先に娘を弘徽殿女御として入内させていた権中納言(頭中将)はこれを知り、 負けじ…

🪷【源氏物語547 第16帖 関屋8 完】空蝉は、夫の常陸介亡き後、誰にも相談をせずに尼になってしまった。

息子たちが、当分は、 「あんなに父が頼んでいったのだから」 と表面だけでも言っていてくれたが、 空蝉の堪えられないような意地の悪さが追い追いに見えて来た。 世間ありきたりの法則どおりに 継母はこうして苦しめられるのであると思って、 空蝉はすべて…

【源氏物語546 第16帖 関屋7】病床の常陸介(空蝉の夫)は、残される空蝉心配し せめて愛妻のために魂だけをこの世に残して置きたいと願ったが、亡くなってしまった。

恨めしかった点でも、 恋しかった点でも源氏には忘れがたい人であったから、 なお おりおりは 空蝉の心を動かそうとする手紙を書いた。 そのうち常陸介《ひたちのすけ》は 老齢のせいか病気ばかりするようになって、 前途を心細がり、 悲観してしまい、 息子…

【源氏物語545 第16帖 関屋6】源氏は、右衛門佐(小君)に手紙をことづけた。久しぶりに得た源氏の文字に空蝉は返事を書いた。

「あれから長い時間がたっていて、 きまりの悪い気もするが、 忘れない私の心ではいつも現在の恋人のつもりでいるよ。 でもこんなことをしてはいっそう嫌われるのではないかね」 こう言って源氏は渡した。 佐はもったいない気がしながら受け取って姉の所へ持…

【源氏物語544 第16帖 関屋5】右衛門佐(小君)を呼び出し、姉の空蝉に手紙をことづてたいと言った。恋を思い捨てない源氏に右衛門佐は驚いていた。

佐《すけ》を呼び出して、 源氏は姉君へ手紙をことづてたいと言った。 他の人ならもう忘れていそうな恋を、 なおも思い捨てない源氏に右衛門佐は驚いていた。 あの日私は、 あなたとの縁は よくよく前生で堅く結ばれて来たものであろうと感じましたが、 あな…

【源氏物語543 第16帖 関屋4】右衛門佐(小君)と紀伊守は、右近衛丞を解職され 源氏と共に須磨に行った兄弟が特別に取り立てられているのを見て、過去の非を悔いた。

源氏が石山寺を出る日に右衛門佐が迎えに来た。 源氏に従って寺へ来ずに、 姉夫婦といっしょに京へはいってしまったことを 佐《すけ》は謝した。 少年の時から非常に源氏に愛されていて、 源氏の推薦で官につくこともできた恩もあるのであるが、 源氏の免職…

【源氏物語542 第16帖 関屋3】源氏は、今は右衛門佐になっている昔の小君をよんで 今は空蝉について話した。女君も色々な思いが浮かんできて煩悶した。

九月の三十日であったから、 山の紅葉は濃く淡《うす》く紅を重ねた間に、 霜枯れの草の黄が混じって見渡される逢坂山の関の口から、 また さっと一度に出て来た 襖姿《あおすがた》の侍たちの旅装の厚織物や くくり染めなどは一種の美をなしていた。 源氏の…

【源氏物語541 第16帖 関屋2】常陸介(前の伊予介)と空蝉の一行は打出の浜に来る頃に、源氏は粟田山を越えたということで 一旦下馬して源氏の一行見送ろうとした。

京から以前 紀伊守《きいのかみ》であった息子 その他の人が迎えに来ていて 源氏の石山詣《もう》でを告げた。 途中が混雑するであろうから、 こちらは早く逢坂山を越えておこうとして、 常陸介は夜明けに近江《おうみ》の宿を立って 道を急いだのであるが、…

🌿源氏物語 第15帖 蓬生(よもぎう)〜光源氏が須磨へ蟄居してから帰京後までの話。

光源氏が須磨へ蟄居してから帰京後までの話。 源氏が都を追われ、後見を失った末摘花の生活は困窮を極めていた。 邸は荒れ果てて召使たちも去り、 受領の北の方となっている叔母が姫を娘の女房に迎えようとするが、 末摘花は応じない。 やがて源氏が帰京した…

【源氏物語540 第16帖 関屋1】石山寺に参詣に来た源氏の君、空蝉の君は逢坂の関ですれ違う🪷

以前の伊予介《いよのすけ》は 院がお崩《かく》れになった翌年 常陸介《ひたちのすけ》になって任地へ下ったので、 昔の帚木《ははきぎ》もつれて行った。 源氏が須磨《すま》へ引きこもった噂《うわさ》も、 遠い国で聞いて、悲しく思いやらないのではなか…

【源氏物語 第16帖 関屋(せきや)】石山寺へ参詣する源氏の君と常陸の介(前伊予介)と空蝉がすれ違う逢坂の関🪷

源氏が帰京した翌年、常陸介(元伊予介)が任期を終えて、 妻空蝉と共に戻ってきた。 石山寺へ参詣途中の源氏は逢坂関で、空蝉の一行に巡り会う。 源氏は懐かしさに空蝉の弟右衛門佐(元小君)を呼び寄せ、 空蝉へ文を送った。 その後も二人は文を交わしたが…

かきつらね 昔のことぞ 思ほゆる 雁はそのよの 友ならねども〜須磨の里の秋🍂 十五夜の月あかりのもと 良清の歌🌕

かきつらね 昔のことぞ 思ほゆる 雁はそのよの友ならねども 須磨の里の秋 十五夜の月あかりのもと 良清の歌 〜次々と昔の事が懐かしく思い出されます 雁は 昔からの友達であったわけではないのだが 【12帖 須磨 すま】 初雁《はつかり》は 恋しき人の つらな…

【源氏物語309 第12帖 須磨43】朧月夜の君は世間から嘲笑的に注視され 辛い立場であるが、帝の寵愛は深い。妃ではなく女官長の立場ということで 宮中に戻った。

尚侍《ないしのかみ》は 源氏の追放された直接の原因になった女性であるから、 世間からは嘲笑的に注視され、 恋人には遠く離れて、 深い歎《なげ》きの中に溺れているのを、 大臣は最も愛している娘であったから憐《あわ》れに思って、 熱心に太后へ取りな…

しほたるる ことをやくにて 松島に 年経《ふ》るあまも なげきをぞ積む〜藤壺の宮が尼におなりになって お返事も以前のものより情味があった🪷

しほたるる ことをやくにて 松島に 年経《ふ》るあまもなげきをぞ積む 藤壺の宮が尼におなりになって お返事も以前のものより情味があった 〜涙を流し濡れているのを仕事として 出家したわたしも嘆きを積み重ねています 【第12帖 須磨 すま】 入道の宮も東宮…

【源氏物語538 第15帖 蓬生38】源氏の手厚い庇護のもと、稀に見るほどに善良な末摘花の元に 去っていた女房達も戻ってきた

手紙はこまごまと書いて送ることを怠らない。 二条の院にすぐ近い地所へ このごろ建築させている家のことを、 源氏は末摘花に告げて、 そこへあなたを迎えようと思う、 今から童女として使うのによい子供を選んで 馴らしておおきなさい。 ともその手紙には書…

ふる里を 峯の霞《かすみ》は 隔つれど 眺《なが》むる空は同じ雲井か〜須磨の地で京に残してきた人たちのことを考え 悲しい気持ちになる源氏🪷

ふる里を 峯の霞《かすみ》は 隔つれど 眺《なが》むる空は同じ雲井か 須磨の地で京に残してきた人たちのことを考え 悲しい気持ちになる源氏 〜住みなれた都の方を 峰の霞は遠く隔てている。 わたしが悲しい気持ちで眺めている空は 都であの人が眺めているの…

【源氏物語537 第15帖 蓬生37】常陸宮に贈るのは 源氏自身が何かと指図をして細やかに支援をし、屋敷の手入れなどもさせた。

賀茂祭り、斎院の御禊《ごけい》などのあるころは、 その用意の品という名義で諸方から源氏へ送って来る物の多いのを、 源氏はまたあちらこちらへ分配した。 その中でも常陸の宮へ贈るのは、 源氏自身が何かと指図《さしず》をして、 宮邸に足らぬ物を何かと…

【源氏物語536 第15帖 蓬生36】末摘花は、親のしたままを長く保っていく人として心の惹かれる。差恥心の多いところもさすがに貴女であると思った。

落ちようとする月の光が 西の妻戸の開いた口からさしてきて、 その向こうにあるはずの廊もなくなっていたし、 廂《ひさし》の板もすっかり取れた家であるから、 明るく室内が見渡された。 昔のままに飾りつけのそろっていることは、 忍ぶ草のおい茂った外見…

【源氏物語535 第15帖 蓬生35】源氏は末摘花と歌を交わす。自身の植えた松ではないが、昔に比べて高くなった木を見ても、年月の長い隔たりが源氏に思われた。

泊まって行くことも この家の様子と自身とが調和の取れないことを思って、 もっともらしく口実を作って源氏は帰ろうとした。 自身の植えた松ではないが、 昔に比べて高くなった木を見ても、 年月の長い隔たりが源氏に思われた。 そして源氏の自身の今日の身…

【源氏物語534 第15帖 蓬生34】源氏が几帳の垂れ絹をあげると、末摘花は恥ずかしそうに座っていて よう返事をしようとしない。源氏は姫君のために言葉を尽くした。

「長くお逢いしないでも、 私の心だけは変わらずにあなたを思っていたのですが、 何ともあなたが言ってくださらないものだから、 恨めしくて、 今までためすつもりで冷淡を装っていたのですよ。 しかし、三輪《みわ》の杉《すぎ》ではないが、 この前の木立…

【源氏物語219 第十帖 賢木31】源氏の恐ろしいほど真剣な恋心に戸惑う宮。源氏は御所にもいかず引きこもり 魂もどこかへ行っているようである。

「逢ふことの 難《かた》きを今日に 限らずば なほ幾世をか歎《なげ》きつつ経ん どうなってもこうなっても 私はあなたにつきまとっているのですよ」 宮は吐息《といき》をおつきになって、 長き世の 恨みを人に 残しても かつは 心をあだとしらなん とお言…

【源氏物語533 第15帖 蓬生33】源氏の君の来訪に、末摘花の姫君は嬉しかったが立派な姿の源氏に自分を見られるのを恥ずかしく思った。

女王《にょおう》は望みをかけて来たことの 事実になったことはうれしかったが、 りっぱな姿の源氏に見られる自分を恥ずかしく思った。 大弐《だいに》の夫人の贈った衣服はそれまで、 いやな気がしてよく見ようともしなかったのを、 女房らが香を入れる唐櫃…

【源氏物語532 第15帖 蓬生32】惟光は草の露を払いながら案内した。木の枝から散る雫も秋の時雨のように降る。源氏は指貫の裾を濡らしながら訪ねていく🌿

「とても中をお歩きになれないほどの露でございます。 蓬《よもぎ》を少し払わせましてから おいでになりましたら」 この惟光《これみつ》の言葉を聞いて、 源氏は、 尋ねても われこそ訪《と》はめ 道もなく 深き蓬の もとの心を」 と口ずさんだが、 やはり…

【源氏物語531 第15帖 蓬生31】廃邸じみた家に一人寂しく待っていただろう末摘花を思うと、源氏は自分が冷酷であったと反省した。源氏は姫君を訪ねる事にした。

「そんなふうにして、やっと人間を発見したのでございます。 侍従の叔母《おば》で少将とか申しました老人が 昔の声で話しました」 惟光はなお目に見た邸内の様子をくわしく言う。 源氏は非常に哀れに思った。 この廃邸じみた家に、どんな気持ちで住んでいる…

【源氏物語237 第十帖 賢木49】源氏は中宮に手紙を送ると返事が来た。中宮の字は、特色のある派手な字というのではないが、決して平凡ではないのである。

中宮は院の御一周忌をお営みになったのに続いて またあとに法華経《ほけきょう》の八講を催されるはずで いろいろと準備をしておいでになった。 十一月の初めの御命日に雪がひどく降った。 源氏から中宮へ歌が送られた。 別れにし 今日《けふ》は来れども 見…

【源氏物語530 第15帖 蓬生30】老いた女房は、末摘花の姫君が大変な苦労をしながらも待ち続けていたことを伝える。惟光は源氏に初めからの事を報告した。

「変わっていらっしゃれば こんなお邸にそのまま住んでおいでになるはずもありません。 御推察なさいまして あなたからよろしくお返辞を申し上げてください。 私どものような老人でさえ経験したことのないような 苦しみをなめて今日までお待ちになったのでご…

【源氏物語529 第15帖 蓬生29】惟光は自分の名を告げた。家の人達は、狩衣姿の惟光を狐か何かと思ったが、姫君がまだおいでなのか聞くと皆 笑い出した。

「いらっしゃったのはどなたですか」 惟光《これみつ》は自分の名を告げてから、 「侍従さんという方にちょっとお目にかかりたいのですが」 と言った。 「その人はよそへ行きました。 けれども侍従の仲間の者がおります」 と言う声は、昔よりもずっと老人じ…