前斎宮《ぜんさいぐう》の入内《じゅだい》を
女院は熱心に促しておいでになった。
こまごまとした入用の品々もあろうが
すべてを引き受けてする人物がついていないことは気の毒であると、
源氏は思いながらも院への御遠慮があって、
今度は二条の院へお移しすることも中止して、
傍観者らしく見せてはいたが、
大体のことは
皆源氏が親らしくしてする指図《さしず》で運んでいった。
院は残念がっておいでになったが、
負けた人は沈黙すべきであると思召《おぼしめ》して、
手紙をお送りになることも絶えた形であった。
しかも当日になって院からのたいしたお贈り物が来た。
御衣服、櫛《くし》の箱、乱れ箱、
香壺《こうご》の箱には
幾種類かの薫香《くんこう》がそろえられてあった。
源氏が拝見することを予想して用意あそばされた物らしい。
源氏の来ていた時であったから、
女別当《にょべっとう》はその報告をして品々を見せた。
🪷風に歌、君に愛を written by のる🪷
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