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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

右近(38番) 忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな

右近(38番)拾遺集 恋四・870 忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな 〜貴方に忘れられる我が身のことは 何ほどのこともありません。 ただ神にかけて 誓ったあなたの命が、 はたして神罰を受けはしないかと、 借しく思われてなりません…

文屋朝康(37番)白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける

文屋朝康(37番)後撰集 秋・308 白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける 〜(草葉の上に落ちた) 白露に 風がしきりに吹きつけている秋の野。 まるで糸に通してとめてない玉が、 美しく散り乱れているようだったよ。 文屋朝康 ふんやのあ…

🍂後京極摂政前太政大臣 藤原良経(91番)🍁きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む

後京極摂政前太政大臣 藤原良経(91番)新古今集 秋・518 きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む 〜こおろぎが鳴いている、 霜の降りるそんな肌寒い夜。 寒いばかりか、粗末なむしろの上に 片袖を敷いて 独りぼっちで 寝るのだろう…

【俊恵法師】85番 夜もすがら もの思ふ頃は 明けやらで ねやのひまさへ つれなかりけり

【俊恵法師】85番 千載集 恋二・766 夜もすがら もの思ふ頃は 明けやらで ねやのひまさへ つれなかりけり 〜夜通しもの思いに沈むこの頃、夜がなかなか明けないので、 寝室の隙間さえも、つれなく冷たいものに思えるのだよ。 俊恵法師 しゅんえほうし (11…

【大江匡房 おおえのまさふさ】 【権中納言匡房 ごんちゅうなごん まさふさ】(73番) 🌸高砂の をのへの桜 咲きにけり と山のかすみ 立たずもあらなむ

【大江匡房 おおえのまさふさ】 【権中納言匡房 ごんちゅうなごん まさふさ】(73番) 『後拾遺集』春・120 高砂の をのへの桜 咲きにけり と山のかすみ 立たずもあらなむ 〜遠くにある高い山の、 頂にある桜も美しく咲いたことだ。 人里近くにある山の霞よ…

清原深養父(36番)夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを雲のいづこに 月宿るらむ

清原深養父(36番)古今集 夏・166 夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを雲のいづこに 月宿るらむ 〜夏の夜は(とても短いので) まだ宵のうちだと思っているのに明けてしまった。 いったい月は、 雲のどの辺りに宿をとっているのだろうか。 清原深養父 きよはら…

紀貫之(35番) 人はいさ 心も知らず ふるさとは花ぞ昔の 香に匂ひける

紀貫之(35番)古今集 春・42 人はいさ 心も知らず ふるさとは花ぞ昔の 香に匂ひける 〜さて、貴方の心は 昔のままであるかどうか分かりません。 しかし馴染み深いこの里の梅の花は、 昔のままの香りで 美しく咲きにおっているではありませんか。 紀 貫之 き…

【藤原興風】(34番)誰をかも 知る人にせむ 高砂の松も昔の 友ならなくに🌿

【藤原興風】(34番)古今集 雑上・909 誰をかも 知る人にせむ 高砂の松も昔の 友ならなくに 〜年老いた私は いったい誰を友にすれば良いのだろうか。 馴染みあるこの高砂の松でさえ、 昔からの友ではないのだから。 藤原 興風 ふじわらのおきかぜ (生没…

紀友則(33番)ひさかたの 光のどけき 春の日にしづ心なく 花の散るらむ🌸

紀友則(33番)古今集 春下・84 ひさかたの 光のどけき 春の日にしづ心なく 花の散るらむ 〜日の光が、 のどかでやわらかく降り注ぐ春の日に、 桜の花は どうして こんなにも落ち着いた心もなく 散っていってしまうのでしょう。 紀友則 きのとものり (851…

春道列樹(32番)山川に 風のかけたる しがらみは流れもあへぬ 紅葉なりけり

春道列樹(32番)古今集 秋下・303 山川に 風のかけたる しがらみは流れもあへぬ 紅葉なりけり 〜山あいの谷川に、 風が架け渡したなんとも美しい柵があった。 よく見ると 流れることができないでたまっている紅葉の葉であったのだなあ。 春道 列樹 はる…

坂上是則(31番)朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪❄️

坂上是則(31番)❄️古今集 冬・332 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪❄️ 〜夜が明ける頃あたりを見てみると、 まるで有明の月が照らしているのかと 思うほどに、 吉野の里には 白雪が降り積もっているではないか。 坂上 是則 さかのうえ…

壬生忠岑(30番)有明の つれなく見えし 別れより あかつきばかり うきものはなし

壬生忠岑 みぶのただみね(30番)古今集 恋・625 有明の つれなく見えし 別れより あかつきばかり うきものはなし 〜あなたと別れたあの時も、 有明の月が残っていました。 あなたと別れてから、 有明の月がかかる夜明けほど つらいものはありません。 壬生…

凡河内躬恒(29番)心当てに 折らばや折らむ初霜の おきまどはせる 白菊の花

凡河内躬恒(29番)古今集 秋 下・277 ❄️ 心当てに 折らばや折らむ初霜の おきまどはせる 白菊の花 〜無造作に折ろうとすれば、 果たして折れるだろうか。 一面に降りた初霜の白さに、 いずれが霜か白菊の花か 見分けもつかないほどなのに。 凡河内躬恒 (お…

源宗于朝臣(28番)山里は 冬ぞさびしさ まさりける人目も草も かれぬと思へば❄️

源宗于朝臣(28番)『古今集』冬・315 山里は 冬ぞさびしさ まさりける人目も草も かれぬと思へば❄️ 〜山里はいつの季節でも寂しい。 冬はとりわけ寂しく感じられる。 尋ねてくれる人も途絶え、 慰めの草も枯れてしまうのだと思うと。 源 宗于(みなもとのむ…

中納言兼輔 (27番)みかの原 わきて流るる いづみ川 いつ見きとてか 恋しかるらむ🌼

中納言兼輔(27番)『新古今集』恋・996 みかの原 わきて流るる いづみ川 いつ見きとてか 恋しかるらむ 〜みかの原を二つにわけて流れるいづみ川。 そのいづみの名のように、 貴方をいつかみた訳ではないのですが、 どうして私は貴方を こんなにも恋しく思う…

貞信公(26番) 小倉山 峰の紅葉ば 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ🍁

貞信公(26番)『拾遺集』雑集・1128 小倉山 峰の紅葉ば 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ 〜小倉山の峰の美しい紅葉の葉よ、 もしお前に人の情けが分かる心があるならば、 散るのを急がず、 もう一度の行幸をお待ち申していてくれないか。 貞信公 ていし…

夕顔の亡骸に最後の別れを望む源氏【源氏物語 50 第4帖 夕顔16 】冷たくなっても美しく可憐な夕顔に慟哭する。右近は二条院に仕える

「よくないことだとおまえは思うだろうが、 私はもう一度 遺骸を見たいのだ。 それをしないではいつまでも憂鬱が続くように思われるから、 馬ででも行こうと思うが」 主人の望みを、 とんでもない軽率なことであると思いながらも 惟光は止めることができなか…

弱りきった源氏を支える惟光【源氏物語 49 第4帖 夕顔15】心身ともに弱りきった源氏。葬儀や、源氏の名誉を守るために抜かりなく動く惟光。右近も悲しみに沈む

「今お話ししたようにこまかにではなく、 ただ思いがけぬ穢れにあいましたと申し上げてください。 こんなので今日は失礼します」 素知らず顔には言っていても、 心にはまた愛人の死が浮かんできて、 源氏は気分も非常に悪くなった。 だれの顔も見るのが物憂…

頭中将の見舞いを受ける【源氏物語 48 第4帖 夕顔14】夕顔の亡骸は美しく思われた。二条院についた源氏はひどく具合が悪くなる。頭中将に会い見舞いを受ける

源氏自身が遺骸《いがい》を車へ載せることは無理らしかったから、 ござ に巻いて惟光《これみつ》が車へ載せた。 小柄な人の死骸からは 悪感は受けないできわめて美しいものに思われた。 残酷に思われるような扱い方を遠慮して、 確かにも巻かなんだから、 …

夕顔の亡骸を東山に移す【源氏物語 47 第4帖 夕顔13】苦しく辛い夜が明け 惟光が来た。表沙汰にならぬよう 夕顔の亡骸を東山の寺に移す。源氏は嘆き悲しむ

灯はほのかに瞬《またた》いて、 中央の室との仕切りの所に立てた屏風の上とか、 室の中の隅々《すみずみ》とか、 暗いところの見えるここへ、 後ろからひしひしと足音をさせて 何かが寄って来る気がしてならない、 惟光が早く来てくれればよいとばかり源氏…

物言わぬ亡骸となった夕顔【源氏物語 46 第4帖 夕顔 12】 夕顔の女君の身体は冷たく 息は絶えている。源氏が枕元に夢で見た女が見え、そしてすっと消えた

「とても気持ちが悪うございますので下を向いておりました。 奥様はどんなお気持ちでいらっしゃいますことでしょう」 「そうだ、なぜこんなにばかりして」 と言って、 手で探ると夕顔は息もしていない。 動かしてみてもなよなよとして気を失っているふうであ…

🌿三条右大臣(25番)名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな

三条右大臣(25番)『後撰集』恋・701 名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな 〜恋しい人に逢える「逢坂山」 「さ寝」という名のさねかずら その名に違わぬのであれば、 逢坂山のさねかずらを手繰り寄せるように、 誰にも知られず …

菅家(菅原道真)24番 🍁このたびは ぬさもとりあへず 手向山 紅葉のにしき 神のまにまに✨

菅家(菅原道真)24番 『古今集』羈旅・420 このたびは ぬさもとりあへず 手向山 紅葉のにしき 神のまにまに✨ 〜今度の旅は急いで発ちましたので、 道祖神に捧げるぬさを用意することも出来ませんでした。 この手向山の美しい紅葉をぬさとして捧げます。 ど…

大江千里(23番)🍁月みれば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身一つの 秋にはあらねど

大江千里(23番)『古今集』秋上・193 月みれば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身一つの 秋にはあらねど 〜秋の月を眺めていると、様々と思い起こされ物悲しい。 秋は わたしひとりだけにやって来たのではないのだけど。 大江千里(おおえのちさと。生没年不…

文屋康秀(22番)🍁吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ

文屋康秀(22番) 『古今集』秋下・249 吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ 〜 山風が吹きおろしてくると、たちまち秋の草や木が萎れてしまう。 きっと山風のことを「嵐(荒らし)」いうのだろう。 文屋康秀(ふんやのやすひで。生…

素性法師(21番) 今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな🌕

素性法師(21番) 『古今集』恋4・691 今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな 〜「今すぐに行きましょう」とあなたがおっしゃったので、 九月の長い夜を待っていましたが、とうとう有明の月が出る頃を迎えてしまいましたよ。 素性法…

魔性の女の出現【源氏物語 45 第4帖 夕顔11】魔性の女が 恨み言を言いながら女君に手に掛ける。源氏は、随身に魔除けの弦打ちを命じ、惟光を呼ぶ

「私がどんなにあなたを愛しているかしれないのに、 私を愛さないで、こんな平凡な人をつれていらっしって 愛撫《あいぶ》なさるのはあまりにひどい。恨めしい方」 と言って横にいる女に手をかけて起こそうとする。 こんな光景を見た。 苦しい襲われた気持ち…

源氏は初めて 夕顔に顔を見せる【源氏物語44 第4帖 夕顔10】夕顔も打ち解けている。六条御息所を気に掛ける。夜、枕元に美しい女が座っている

『夕露に ひもとく花は 玉鉾《たまぼこ》の たよりに見えし 縁《えに》こそありけれ』 あなたの心あてにそれかと思うと言った時の人の顔を 近くに見て幻滅が起こりませんか」 と言う源氏の君を後目《しりめ》に女は見上げて、 『光ありと 見し夕顔の うは露…

不気味な院に赴いた源氏【源氏物語 43 第4帖 夕顔9】夕顔は不安がる。二人で朝を迎えて 荒れた庭を眺める。怯える女君を愛おしく思う

呼び出した院の預かり役の出て来るまで留めてある車から、 忍ぶ草の生い茂った門の廂《ひさし》が見上げられた。 たくさんにある大木が暗さを作っているのである。 霧も深く降っていて空気の湿っぽいのに 車の簾《すだれ》を上げさせてあったから源氏の袖も …

源氏は夕顔を永遠に共にいたいと願う【源氏物語 42 第4帖 夕顔 8】夕顔は繊細な感じのする可憐な美女。二人でゆっくり過ごそうと帝室の後院である某院に行く。

白い袷《あわせ》に柔らかい淡紫《うすむらさき》を重ねた はなやかな姿ではない、ほっそりとした人で、 どこかきわだって非常によいというところはないが 繊細な感じのする美人で、 ものを言う様子に弱々しい可憐《かれん》さが十分にあった。 才気らしいも…