女王《にょおう》は望みをかけて来たことの
事実になったことはうれしかったが、
りっぱな姿の源氏に見られる自分を恥ずかしく思った。
大弐《だいに》の夫人の贈った衣服はそれまで、
いやな気がしてよく見ようともしなかったのを、
女房らが香を入れる唐櫃《からびつ》にしまって置いたから
よい香のついたのに、
その人々からしかたなしに着かえさせられて、
煤《すす》けた几帳《きちょう》を引き寄せてすわっていた。
源氏は座に着いてから言った。
🌿真実 written by チョコミント🌿
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