google.com, pub-8944455872984568, DIRECT, f08c47fec0942fa0

源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語534 第15帖 蓬生34】源氏が几帳の垂れ絹をあげると、末摘花は恥ずかしそうに座っていて よう返事をしようとしない。源氏は姫君のために言葉を尽くした。


「長くお逢いしないでも、

 私の心だけは変わらずにあなたを思っていたのですが、

 何ともあなたが言ってくださらないものだから、

 恨めしくて、

 今までためすつもりで冷淡を装っていたのですよ。

 しかし、三輪《みわ》の杉《すぎ》ではないが、

 この前の木立ちを目に見ると素通りができなくてね、

 私から負けて出ることにしましたよ」

几帳《きちょう》の垂《た》れ絹を少し手であけて見ると、

女王は例のようにただ恥ずかしそうにすわっていて、

すぐに返辞はようしない。

こんな住居《すまい》にまで訪ねて来た源氏の志の

身にしむことによってやっと力づいて何かを少し言った。

「こんな草原の中で、

 ほかの望みも起こさずに待っていてくだすったのだから

 私は幸福を感じる。

 またあなただって、

 あなたの近ごろの心持ちもよく聞かないままで、

 自分の愛から推して、

 愛を持っていてくださると信じて訪ねて来た私を何と思いますか。

 今日まであなたに苦労をさせておいたことも、

 私の心からのことでなくて、

 その時は世の中の事情が悪かったのだと思って

 許してくださるでしょう。

 今後の私が誠実の欠けたようなことをすれば、

 その時は私が十分に責任を負いますよ」

などと、

それほどに思わぬことも、

女を感動さすべく源氏は言った。

🌿落ちる葉、移りゆく秋の中で(Fallen leaves,Shifting of the autumn)

   written by 蒲鉾さちこ🌿

 

🌷第15帖 蓬生(よもぎう)のあらすじはこちら↓

少納言のホームページ 源氏物語&古典 syounagon-web ぜひご覧ください🪷

https://syounagon-web-1.jimdosite.com

 

🪷聴く古典文学 少納言チャンネルは、聴く古典文学動画。チャンネル登録お願いします🪷