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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

第五帖 若紫(わかむらさき)源氏物語

【源氏物語 第5帖 若紫 🪷わかむらさき】光源氏18歳3月から冬10月の話🌿北山で藤壺の宮の面影を持つ少女に会う

光源氏18歳3月から冬10月の話。 瘧(おこり、マラリア)を病んで加持(かじ)のために北山を訪れた源氏は、 通りかかった家で密かに恋焦がれる藤壺(23歳)の面影を持つ少女 (後の紫の上。10歳ほど)を垣間見た。 少女の大伯父の僧都によると彼女は藤壺の兄…

🌸若紫は源氏に懐く【源氏80 第五帖若紫23 完】若紫(女王)が行方不明になり父宮は悲しむ。すっかり馴染んだ若紫は 源氏が帰ってくる時は誰より先に出迎えいろいろ話をする。

「書きそこねたわ」 と言って、 恥ずかしがって隠すのをしいて読んでみた。 『かこつべき 故を知らねば おぼつかな いかなる草の ゆかりなるらん』 子供らしい字ではあるが、将来の上達が予想されるような、 ふっくりとしたものだった。 死んだ尼君の字にも…

🌼若紫の機嫌を取る源氏【源氏79 第五帖 若紫22】女王は「もう乳母と寝てはいけないよ」と源氏に言われ悲しがって泣き寝をする。源氏は 面白い絵や道具を持ってきて女王の機嫌を取っていた。

「少納言の所で私は寝るのよ」 子供らしい声で言う。 「もうあなたは乳母《めのと》などと寝るものではありませんよ」 と源氏が教えると、悲しがって泣き寝をしてしまった。 乳母は眠ることもできず、ただむやみに泣かれた。 明けてゆく朝の光を見渡すと、 …

🌸若紫は不安で泣く【源氏78 第五帖 若紫21】寝ていた女王を抱き上げて連れていく。困惑する少納言であったが同行する。不安になった若紫の女王は泣く。

源氏は無心によく眠っていた姫君を抱き上げて目をさまさせた。 女王は父宮がお迎えにおいでになったのだと まだまったくさめない心では思っていた。 髪を撫《な》でて直したりして、 「さあ、いらっしゃい。宮様のお使いになって私が来たのですよ」 と言う声…

🌸若紫を迎える【源氏77 第五帖 若紫20】兵部卿の宮が女王を迎えに来ることになった。源氏は左大臣家に行っていたが 惟光からその事を聞いて 女王を二条院に迎える。

「宮様のほうから、 にわかに明日迎えに行くと言っておよこしになりましたので、 取り込んでおります。 長い馴染《なじみ》の古いお邸《やしき》を離れますのも 心細い気のすることと私どもめいめい申し合っております」 と言葉数も少なく言って、 大納言家…

祖母が亡くなり悲しむ紫の君【源氏76 第五帖 若紫19】父宮は 女王を慰めるものの、祖母が亡くなって深い悲しみに沈んでいる。源氏の代わりに 惟光が宿直をする。

「なぜそんなにお祖母様のことばかりをあなたはお思いになるの、 亡くなった人はしかたがないんですよ。 お父様がおればいいのだよ」 と宮は言っておいでになった。 日が暮れるとお帰りになるのを見て、 心細がって姫君が泣くと、宮もお泣きになって、 「な…

源氏 女人に無視こかれる【源氏75 第五帖 若紫18】源氏、兵部卿の宮は荒れた邸にいる女王に心動かされる。

近ごろ隠れて通っている人の家が途中にあるのを思い出して、 その門をたたかせたが内へは聞こえないらしい。 しかたがなくて供の中から声のいい男を選んで歌わせた。 『朝ぼらけ 霧立つ空の 迷ひにも 行き過ぎがたき 妹《いも》が門かな』 二度繰り返させた…

女王に寄り添う源氏❄️【源氏物語74 第五帖 若紫17】外は みぞれが降る夜。宿直をするということで女王に寄り添い 優しく話しかける。

「いくら何でも私はこの小さい女王さんを情人にしようとはしない。 まあ私がどれほど誠実であるかを御覧なさい」 外には霙《みぞれ》が降っていて凄《すご》い夜である。 「こんなに小人数で この寂しい邸《やしき》にどうして住めるのですか」 と言って源氏…

【源氏物語72 第五帖 若紫15】女王の祖母の尼君がなくなる。源氏は弔意品を送る。少納言の君は幼い女王の立場を思い泣く。

この十月に朱雀《すざく》院へ行幸があるはずだった。 その日の舞楽には 貴族の子息たち、高官、殿上役人などの中の 優秀な人が舞い人に選ばれていて、 親王方大臣をはじめとして音楽の素養の深い人は そのために新しい稽古を始めていた。 それで源氏の君も…

都に戻った尼君のお見舞いに行く【源氏物語71 第五帖 若紫14】源氏のところに女王が姿を現す。子どもらしく愛らしい。藤壺への恋心がつのり 縁故である上を引き取りたいという望みが膨らんでいく。

「私は病気であることが今では普通なようになっております。 しかしもうこの命の終わりに近づきましたおりから、 かたじけないお見舞いを受けました喜びを 自分で申し上げません失礼をお許しくださいませ。 あの話は今後もお忘れになりませんでしたら、 もう…

懐妊した藤壺を寵愛する桐壺帝【源氏物語70 第五帖 若紫13】秋の末、源氏は 女王の祖母、按察使大納言の北の方の屋敷を訪問する。尼君は病気で弱っている。

初秋の七月になって宮は御所へおはいりになった。 最愛の方が懐妊されたのであるから、 帝のお志はますます藤壺の宮にそそがれるばかりであった。 少しお腹《なか》がふっくりとなって 悪阻《つわり》の悩みに 顔の少しお痩せになった宮のお美しさは、 前よ…

禁断の狂おしい恋の虜【源氏物語69 第六帖 若紫12】逢瀬を重ね 藤壺の宮は懐妊。夢占いで夢を現実にまざまざ続き恐怖を覚える。

源氏の恋の万分の一も告げる時間のあるわけはない。 永久の夜が欲しいほどであるのに、 逢わない時よりも恨めしい別れの時が至った。 見てもまた 逢ふ夜 稀《まれ》なる夢の中《うち》に やがてまぎるるわが身ともがな 涙にむせ返って言う源氏の様子を見ると…

藤壺の宮との密かな逢瀬【源氏68 第五帖 若紫11】藤壺の宮は身体の調子がすぐれず自邸に。罪悪感を持ちつつも 王の命婦に手引きをさせ密かな逢瀬を重ねる

↑源氏物語68の間違いです 「少納言の乳母《めのと》という人がいるはずだから、 その人に逢って詳しく私のほうの心持ちを伝えて来てくれ」 などと源氏は命じた。 どんな女性にも関心を持つ方だ、 姫君はまだきわめて幼稚であったようだのに と惟光は思って…

恋しい人の面影を追う源氏【源氏物語67 第五帖 若紫10-2】藤壺の宮に縁故があり、恋しい人の面影を持つ少女を引き取りたいという思いが深まり、惟光を北山に遣わす。

就寝を促してみても聞かぬ人を置いて、 歎息《たんそく》をしながら源氏は枕についていたというのも、 夫人を動かすことにそう骨を折る気にはなれなかったのかもしれない。 ただくたびれて眠いというふうを見せながらも いろいろな物思いをしていた。 若草と…

頭中将 公達と酒盛り🍶【源氏物語 66 第5帖 若紫10】頭中将 公達らが北山に源氏を迎えにくる。酒盛りや音楽を楽しむ。女王は源氏を美しいと思う

ちょうど源氏が車に乗ろうとするころに、 左大臣家から、 どこへ行くともなく源氏が京を出かけて行ったので、 その迎えとして家司《けいし》の人々や、 子息たちなどがおおぜい出て来た。 頭中将《とうのちゅうじょう》、 左中弁《さちゅうべん》 またそのほ…

源氏 姫の御簾に入る【源氏物語73 第五帖 若紫16】女王は 直衣を着た方が来られていると聞いて父宮かと思ったが源氏の君であることを知る。

「そんなことはどうでもいいじゃありませんか、 私が繰り返し繰り返しこれまで申し上げてあることを なぜ無視しようとなさるのですか。 その幼稚な方を私が好きでたまらないのは、 こればかりは前生《ぜんしょう》の縁に違いないと、 それを私が客観的に見て…

病から回復した源氏【源氏物語 65 第5帖 若紫9】僧都は饗応に心を尽くし 源氏のために尼君に 女王ことをお願いする

夜明けの空は十二分に霞んで、 山の鳥声がどこで啼《な》くとなしに多く聞こえてきた。 都人《みやこびと》には 名のわかりにくい木や草の花が多く咲き多く地に散っていた。 こんな深山の錦《にしき》の上へ 鹿が出て来たりするのも珍しいながめで、 源氏は…

幼い女王を将来の結婚相手として望む【源氏物語 64 第5帖 若紫 8】姫を将来の結婚相手として引き取りたいと申し出る源氏 戸惑う尼君

「そうだね、若い人こそ困るだろうが私など、まあよい。 丁寧に言っていらっしゃるのだから」 尼君は出て行った。 「出来心的な軽率な相談を持ちかける者だとお思いになるのが かえって当然なような、 こんな時に申し上げるのは私のために不利なんですが、 …

源氏は僧都の山荘に泊まる【源氏物語 63 第5帖 若紫7】貴族的な良い雰囲気の中 源氏は 尼君に姫君のことで相談を持ちかける。

奥のほうの室にいる人たちも起きたままでいるのが 気配で知れていた。 静かにしようと気を配っているらしいが、 数珠《じゅず》が脇息《きょうそく》に触れて鳴る音などがして 女の起居《たちい》の衣摺《きぬず》れも ほのかになつかしい音に耳へ通ってくる…

北山の少女は藤壺の姪🌸【源氏物語 62 第5帖 若紫 6】源氏は、姫君が 按察使大納言の姫君と兵部卿の宮の間にできた子であると知る。藤壺の宮の姪になる

「その大納言にお嬢さんがおありになるということでしたが、 それはどうなすったのですか。 私は好色から伺うのじゃありません、 まじめにお尋ね申し上げるのです」 少女は大納言の遺子であろうと想像して源氏が言うと、 「ただ一人娘がございました。 亡く…

💠若紫との出会い【源氏物語 61 第5帖 若紫5】源氏は僧都の山荘に移る。可憐で美しい少女に心を奪われる。祖母は按察使《あぜち》大納言の未亡人

僧都がこの座敷を出て行く気配《けはい》がするので 源氏も山上の寺へ帰った。 源氏は思った。 自分は可憐な人を発見することができた、 だから自分といっしょに来ている若い連中は 旅というものをしたがるのである、 そこで意外な収穫を得るのだ、 たまさか…

北山で美しい少女と出会う【源氏物語 60 第5帖 若紫4】「雀の子を犬君が逃しつる」源氏は 美しい少女と出会った。少女は 恋しい藤壺の宮様に似ている

「雀《すずめ》の子を犬君《いぬき》が逃がしてしまいましたの、 伏籠《ふせご》の中に置いて逃げないようにしてあったのに」 たいへん残念そうである。 そばにいた中年の女が、 「またいつもの粗相《そそう》やさんが そんなことをしてお嬢様にしかられるの…

明石の入道の話を聞く源氏【源氏物語 59 第5帖 若紫3 】源氏は 明石の女人に興味を覚える。北山に滞在中、源氏は 例の山荘で愛らしい少女を見つける

「でもどうかね、どんなに美しい娘だといわれていても、 やはり田舎者らしかろうよ。 小さい時からそんな所に育つし、 頑固な親に教育されているのだから」 こんなことも言う。 「しかし母親はりっぱなのだろう。 若い女房や童女など、 京のよい家にいた人な…

縁なくば 海に身投げせよと育てられた姫【源氏物語 58 第5帖 若紫2 】源氏は 明石の変わり者の入道の娘の話を聞く。

源氏は寺へ帰って仏前の勤めをしながら昼になると もう発作が起こるころであるがと不安だった。 「気をお紛《まぎ》らしになって、 病気のことをお思いにならないのが いちばんよろしゅうございますよ」 などと人が言うので、 後ろのほうの山へ出て今度は京…

病の源氏は北山の聖人に祈祷してもらう【源氏物語 57 第5帖 若紫1】散歩に出た時 若い女房や女童がいる僧都の屋敷を見つけた

源氏は瘧病《わらわやみ》にかかっていた。 いろいろとまじないもし、 僧の加持《かじ》も受けていたが効験《ききめ》がなくて、 この病の特徴で発作的にたびたび起こってくるのをある人が、 「北山の某《なにがし》という寺に非常に上手な修験僧がおります…