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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語542 第16帖 関屋3】源氏は、今は右衛門佐になっている昔の小君をよんで 今は空蝉について話した。女君も色々な思いが浮かんできて煩悶した。


九月の三十日であったから、

山の紅葉は濃く淡《うす》く紅を重ねた間に、

霜枯れの草の黄が混じって見渡される逢坂山の関の口から、

また さっと一度に出て来た

襖姿《あおすがた》の侍たちの旅装の厚織物や

くくり染めなどは一種の美をなしていた。

源氏の車は簾《みす》がおろされていた。

今は右衛門佐《うえもんのすけ》になっている

昔の小君《こぎみ》を近くへ呼んで、

「今日こうして関迎えをした私を姉さんは無関心にも見まいね」

などと言った。

心のうちにはいろいろな思いが浮かんで来て、

恋しい人と直接言葉がかわしたかった源氏であるが、

人目の多い場所ではどうしようもないことであった。

女も悲しかった。昔が昨日のように思われて、

煩悶《はんもん》もそれに続いた煩悶がされた。

 行くと来《く》と せきとめがたき 涙をや

 絶えぬ清水《しみづ》と 人は見るらん

自分のこの心持ちは

お知りにならないであろうと思うとはかなまれた。

🍂枯れ葉 written by ハヤシユウ🍂     

 

🪷源氏物語 第16帖 関屋のあらすじはこちら

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