息子たちが、当分は、
「あんなに父が頼んでいったのだから」
と表面だけでも言っていてくれたが、
空蝉の堪えられないような意地の悪さが追い追いに見えて来た。
世間ありきたりの法則どおりに
継母はこうして苦しめられるのであると思って、
空蝉はすべてを自身の薄命のせいにして悲しんでいた。
河内守だけは好色な心から、
継母に今も追従をして、
「父があんなにあなたのことを頼んで行かれたのですから、
無力ですが、
それでもあなたの御用は勤めたいと思いますから、
遠慮をなさらないでください」
などと言って来るのである。
あさましい下心《したごころ》も空蝉は知っていた。
不幸な自分は良人に死に別れただけで済まず、
またまたこんな情けないことが近づいてこようとすると悲しがって、
だれにも相談をせずに尼になってしまった。
常陸介の息子や娘もさすがにこれを惜しがった。
河内守は恨めしかった。
「私をきらって尼におなりになったって
まだ今後長く生きて行かねばならないのだから、
どうして生活をするつもりだろう、余計なことをしたものだ」
などと言った。
🍁悲雨 written by Notzan ACT🍁
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