google.com, pub-8944455872984568, DIRECT, f08c47fec0942fa0

源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

2023-01-01から1年間の記事一覧

【源氏物語576 第17帖 絵合29 完】源氏は、郊外に御堂を建てさせる。仏勤めにも思いがあるが、子ども達の教育を大切にしたい気持ちもある。

宮中の儀式などもこの御代から始まったというものを 起こそうと源氏は思うのであった。 絵合わせなどという催しでも単なる遊戯でなく、 美術の鑑賞の会にまで引き上げて行なわれるような 盛りの御代が現出したわけである。 しかも源氏は人生の無常を深く思っ…

【源氏物語575 第17帖 絵合28】帝は絵合に満足あそばしたご様子であった。中納言は娘の女御に対するご愛情は特別と思いつつも不安になる。

「須磨、明石の二巻は女院の御座右に差し上げていただきたい」 こう源氏は申し出た。 女院はこの二巻の前後の物も皆見たく思召すとのことであったが、 「またおりを見まして」 と源氏は御挨拶《あいさつ》を申した。 帝が絵合わせに満足あそばした御様子であ…

【源氏物語574 第17帖 絵合27 】清い明るさに満ちた夜、中納言が和琴 帥の宮は十三弦 源氏は琴 琵琶の役は少将の命婦 音楽の素養のあるものが召され拍子を取った。

宮はしまいには戯談《じょうだん》をお言いになったが 酔い泣きなのか、故院のお話をされてしおれておしまいになった。 二十幾日の月が出てまだここへはさしてこないのであるが、 空には清い明るさが満ちていた。 書司に保管されてある楽器が召し寄せられて…

【源氏物語573 第17帖 絵合26】音楽に優れた才能を持ち、更に絵にも秀でていることについて感心をする帥の宮

「何の芸でも頭がなくては習えませんが、 それでもどの芸にも皆師匠があって、 導く道ができているものですから、 深さ浅さは別問題として、 師匠の真似《まね》をして一通りにやるだけのことは だれにもまずできるでしょう。 ただ字を書くことと囲碁だけは …

【源氏物語572 第17帖 絵合 25】桐壺院の学問にする考えや 源氏自身の絵に対する思いを 帥の宮に語る。

明け方近くなって古い回想から湿った心持ちになった源氏は 杯を取りながら帥《そつ》の宮に語った。 「私は子供の時代から学問を熱心にしていましたが、 詩文の方面に進む傾向があると御覧になったのですか、 院がこうおっしゃいました、 文学というものは世…

【源氏物語571 第17帖 絵合24】須磨の巻が出たときに、判者の親王をはじめとして皆 涙を流した。同情しながら想像したより 絵によって知る須磨はもっと悲しいものであった。

最後の番に左から須磨の巻が出てきたことによって 中納言の胸は騒ぎ出した。 右もことに最後によい絵巻が用意されていたのであるが、 源氏のような天才が 清澄な心境に達した時に写生した風景画は 何者の追随をも許さない。 判者の親王をはじめとしてだれも…

【源氏物語570 第17帖 絵合23】女院は絵にもお詳しい。判者が判定しきれない時などに 短い言葉の下されることも感じの良いことであった

評判どおりに入念に描かれた絵巻が多かった。 優劣をにわかにお決めになるのは困難なようである。 例の四季を描いた絵も、 大家がよい題材を選んで筆力も雄健に描き流した物は 価値が高いように見えるが、 今度は皆紙絵であるから、 山水画の豊かに描かれた…

【源氏物語569 第17帖 絵合22】今日の絵合せは、芸術に造詣の深い太宰帥《だざいのそつ》の宮が、審判役を下命された。

右は沈の木の箱に 浅香《せんこう》の下机《したづくえ》、 帛紗は青地の高麗錦《こうらいにしき》、 机の脚《あし》の組み紐の飾りがはなやかであった。 侍童らは青色に柳の色の汗袗《かざみ》、 山吹襲《やまぶきかさね》の袙《あこめ》を着ていた。 双方…

【源氏物語568 第17帖 絵合21】絵合わせの日、控えの座敷に臨時の玉座が造られ北側、南側と分かれて判者が座についた。

定められた絵合わせの日になると、 それはいくぶんにわかなことではあったが、 おもしろく意匠をした風流な包みになって、 左右の絵が会場へ持ち出された。 女官たちの控え座敷に臨時の玉座が作られて、 北側、南側と分かれて判者が座についた。 それは清涼…

【源氏物語567 第17帖 絵合20】院のお歌に返事を差し上げないのは恐れ多い。斎宮女御は儀式の簪の端を折ってそれに書いた。院は身に沁んでご覧になった。

大極殿の御輿《みこし》の寄せてある神々しい所に御歌があった。 身こそかく しめの外《ほか》なれ そのかみの 心のうちを 忘れしもせず と言うのである。 返事を差し上げないこともおそれおおいことであると思われて、 斎宮の女御は苦しく思いながら、 昔の…

【源氏物語 第四帖 夕顔 ゆうがお】源氏17歳夏から10月。 儚い夕顔の花のような女君との出会いと 哀しい別れ🪷

【源氏物語 第四帖 夕顔(ゆうがお)】 【The Tale of Genji Chapter 4 Yugao (Evening Faces)】 源氏17歳夏から10月. 従者藤原惟光の母親でもある乳母の見舞いの折、 隣の垣根に咲くユウガオの花に目を留めた源氏が取りにやらせたところ、 邸の住人が和歌…

【源氏物語566 第17帖 絵合19】朱雀院も素晴らしい絵を梅壺にご寄贈遊ばされた。画伯に製作させた大極殿の御櫛の式の立派な絵もあった

院もこの勝負のことをお聞きになって、 梅壺へ多くの絵を御寄贈あそばされた。 宮中で一年じゅうにある儀式の中のおもしろいのを 昔の名家が描いて、 延喜《えんぎ》の帝が御自身で説明をお添えになった 古い巻き物のほかに、 御自身の御代《みよ》の宮廷に…

【源氏物語565 第17帖 絵合18】絵合わせ日のために、源氏は須磨、明石の2巻を左方の絵の中に入れた。中納言は、自邸で新画を作らせていた。

婦人たちの言論は長くかかって、 一回分の勝負が容易につかないで時間がたち、 若い女房たちが興味をそれに集めている 陛下と梅壺《うめつぼ》の女御の御絵は いつ席上に現われるか予想ができないのであった。 源氏も参内して、 双方から述べられる支持と批…

【源氏物語564 第17帖 絵合17】伊勢と正三位が合わされた。この論争も一通りでは済まなかったが、女院は左方の肩をお持ちになる。

次は伊勢《いせ》物語と正三位《しょうさんみ》が合わされた。 この論争も一通りでは済まない。 今度も右は見た目がおもしろくて刺戟的で宮中の模様も描かれてあるし、 現代に縁の多い場所や人が写されてある点でよさそうには見えた。 平典侍が言った。 「伊…

【源氏物語563 第17帖 絵合16】宇津保物語の俊蔭の巻は芸術を求める心が強くて素晴らしい音楽家になったという筋が優れているなどと右方は主張する。

「俊蔭は暴風と波に 弄《もてあそ》ばれて異境を漂泊しても 芸術を求める心が強くて、 しまいには外国にも日本にもない音楽者になったという筋が 竹取物語よりずっとすぐれております。 それに絵も日本と外国との対照が おもしろく扱われている点ですぐれて…

【源氏物語562 第17帖 絵合15】女院は興味深く思召して、日本最初の小説である竹取の翁と空穂の俊蔭の巻を左右にして論評をお聞きになった。

思い思いのことを主張する弁論を 女院は興味深く思召《おぼしめ》して、 まず日本最初の小説である竹取の翁《おきな》と 空穂《うつぼ》の俊蔭《としかげ》の巻を左右にして 論評をお聞きになった。 「竹取の老人と同じように古くなった小説ではあっても、 …

【源氏物語561 第17帖 絵合14】宮中の女官たちも 絵について論じることに夢中になっていた。藤壺の中宮は左右に分け 説を闘わせてご覧になった。

小説を絵にした物は、 見る人がすでに心に作っている幻想を それに加えてみることによって絵の効果が 倍加されるものであるから その種類の物が多い。 梅壺《うめつぼ》の王女御《おうにょご》のほうのは 古典的な価値の定まった物を絵にしたのが多く、 弘徽…

【源氏物語560 第17帖 絵合13】権中納言(頭中将)は意匠を凝らした傑作をこしらえる。勝負をするのも興味があって良いことだと源氏が言い出した。

源氏が絵を集めていると聞いて、 権中納言はいっそう自家で傑作をこしらえることに努力した。 巻物の軸、紐《ひも》の装幀《そうてい》にも 意匠を凝らしているのである。 それは三月の十日ごろのことであったから、 最もうららかな好季節で、 人の心ものび…

【源氏物語559 第17帖 絵合12】源氏と紫の上は、源氏の描いた絵を見て選んだ。紫の上は源氏の辛い時代を思いやり、源氏はその心持ちを哀れに思った。

夫人は今まで源氏の見せなかったことを恨んで言った。 「一人居《ゐ》て 眺めしよりは 海人《あま》の住む かたを書きてぞ 見るべかりける あなたにはこんな慰めがおありになったのですわね」 源氏は夫人の心持ちを哀れに思って言った。 「うきめ見し そのを…

高麗人《こまうど》の観相【源氏物語 第1帖 桐壺 8の2】鴻臚館にて皇子の相を観てもらう。帝は、将来を考え源氏の姓を賜ることにした。

その時分に高麗人《こまうど》が来朝した中に、上手《じょうず》な人相見の者が混じっていた。帝はそれをお聞きになったが、宮中へお呼びになることは亭子院のお誡《いまし》めがあっておできにならず、だれにも秘密にして皇子のお世話役のようになっている…

【源氏物語558 第17帖 絵合11】源氏は、絵を差し上げますと奏した。紫の上と絵を見分けた。長恨歌、王昭君などは面白いが 縁起はよろしくないので省くことにした。

「隠そう隠そうとしてあまり御前へ出さずに 陛下をお悩ましするなどということはけしからんことだ」 と源氏は言って、 帝へは 「私の所にも古い絵はたくさんございますから 差し上げることにいたしましょう」 と奏して、 源氏は二条の院の古画新画のはいった…

【源氏物語557 第17帖 絵合10】弘徽殿ではよい小説の内容を絵にさせて帝にお目にかけた。長くは 御前に出しておかずに すぐしまわせてしまうのである。

「小説を題にして描いた絵が最もおもしろい」 と言って、 権中納言は選んだよい小説の内容を絵にさせているのである。 一年十二季の絵も平凡でない文学的価値のある詞《ことば》書きをつけて 帝のお目にかけた。 おもしろい物であるがそれは非常に大事な物ら…

【源氏物語556 第17帖 絵合9】帝は何よりも絵に興味を持っておいでになり、斎宮の女御は絵をよく描くので 帝はそれがお気に入ってご寵愛も盛んになった。

こんなふうに隙間《すきま》もないふうに 二人の女御が侍しているのであったから、 兵部卿《ひょうぶきょう》の宮は女王の後宮入りを 実現させにくくて煩悶《はんもん》をしておいでになったが、 帝が青年におなりになったなら、 外戚の自分の娘を疎外あそば…

【源氏物語555 第17帖 絵合8】院は櫛の箱の返歌をご覧になってから いっそう恋しく思われた。前斎宮の話題が出た折、院の御表情に失恋の深い御苦痛が現われてきたのをお気の毒に思った。

院は櫛《くし》の箱の返歌を御覧になってから いっそう恋しく思召された。 ちょうどそのころに源氏は院へ伺候した。 親しくお話を申し上げているうちに、 斎宮が下向されたことから、 院の御代《みよ》の斎宮の出発の儀式にお話が行った。 院も回想していろ…

【源氏物語554 第17帖 絵合7】斎宮の女御は 鷹揚でおとなしい 小柄で若々しいお方であった。帝は 弘徽殿の女御と斎宮の女御を半々に召される。

このごろは女院も御所に来ておいでになった。 帝は新しい女御の参ることをお聞きになって、 少年らしく興奮しておいでになった。 御年齢よりはずっと大人びた方なのである。 女院も、 「りっぱな方が女御に上がって来られるのですから、 お気をおつけになっ…

【源氏物語434 第14帖 澪標8】致仕の左大臣も源氏の説得に断りきれず太政大臣となった。この人に栄えの春がやってきたのである。

「私は病気によっていったん職をお返しした人間なのですから、 今日はまして年も老いてしまったし、 そうした重任に当たることなどはだめです」 と大臣は言って引き受けない。 「支那《しな》でも政界の混沌《こんとん》としている時代は 退いて隠者になって…

【源氏物語553 第17帖 絵合 6】華やかな女御としての前斎宮。御息所が生きておられたなら どれほど喜ぶであろう。あれほどの人を失ったことは この世の損失とさえ思った。

養父として一切を源氏が世話していることにしては 院へ済まないという遠慮から、 単に好意のある態度を取っているというふうを示していた。 もとからよい女房の多い宮であったから、 実家に引いていがちだった人たちも皆出て来て、 すでにはなやかな女御の形…

【源氏物語552 第17帖 絵合5】朱雀院と前斎宮は相応しい配偶と思われる。帝の女御におさせすることを申し訳なく思う源氏。

お使いの幾人かはそれぞれ差のあるいただき物をして帰った。 源氏は斎宮の御返歌を知りたかったのであるが、 それも見たいとは言えなかった。 院は美男でいらせられるし、 女王もそれにふさわしい配偶のように思われる、 少年でいらせられる帝の女御《にょご…

【源氏物語551 第17帖 絵合4】宮は美しい院が別れを惜しんでお泣きになるのを乙女心にもおいたわしく思ったことが目の前に浮かんだ。

「この御返歌はどうなさるだろう、 またお手紙もあったでしょうが お答えにならないではいけないでしょう」 などと源氏は言ってもいたが、 女房たちはお手紙だけは源氏に見せることをしなかった。 宮は気分がおすぐれにならないで、 御返歌をしようとされな…

【源氏物語550 第17帖 絵合3】源氏は、朱雀院が恋した前斎宮を冷泉帝の後宮に入れたことを申し訳ないと考え込んでいた。

閑暇《かんか》な地位へお退《の》きになった現今の院は、 何事もなしうる主権に離れた寂しさというようなものを お感じにならないであろうか、 自分であれば 世の中が恨めしくなるに違いないなどと思うと心が苦しくて、 何故女王を宮中へ入れるようなよけい…