源氏に従って寺へ来ずに、
姉夫婦といっしょに京へはいってしまったことを
佐《すけ》は謝した。
少年の時から非常に源氏に愛されていて、
源氏の推薦で官につくこともできた恩もあるのであるが、
源氏の免職されたころ、
当路者ににらまれることを恐れて常陸へ行ってしまったことで、
少しおもしろくなく源氏は思っていたが、
だれにもそのことは言わなかった。
昔ほどではないがその後も右衛門佐《うえもんのすけ》は
家に属した男として源氏の庇護を受けることになっていた。
紀伊守《きいのかみ》といった男も
今はわずかな河内守《かわちのかみ》であった。
その弟の右近衛丞《うこんえのじょう》で解職されて、
須磨へ源氏について行った男が
特別に取り立てられていくのを見て、
右衛門佐も河内守も過去の非を悔いた。
なぜ一時の損得などを大事に考えたのであろうと
自身を責めていた。
🍂秋雨と共に(Autumn rain with you)🍂
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