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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語545 第16帖 関屋6】源氏は、右衛門佐(小君)に手紙をことづけた。久しぶりに得た源氏の文字に空蝉は返事を書いた。

「あれから長い時間がたっていて、

 きまりの悪い気もするが、

 忘れない私の心ではいつも現在の恋人のつもりでいるよ。

 でもこんなことをしてはいっそう嫌われるのではないかね」

こう言って源氏は渡した。

佐はもったいない気がしながら受け取って姉の所へ持参した。

「ぜひお返事をしてください。

 以前どおりにはしてくださらないだろう、

 疎外されるだろうと私は覚悟していましたが、

 やはり同じように親切にしてくださるのですよ。

 この使いだけは困ると思いましたけれど、

 お断わりなどできるものじゃありません。

 女のあなたがあの御愛情にほだされるのは当然で、

 だれも罪とは考えませんよ」

などと右衛門佐は姉に言うのであった。

今はましてがらでない気がする空蝉《うつせみ》であったが、

久しぶりで得た源氏の文字に

思わずほんとうの心が引き出されたか返事を書いた。

 逢坂《あふさか》の 関やいかなる 関なれば

 繁《しげ》きなげきの 中を分くらん

夢のような気がいたしました。

とある。

🍁時の残影 written by のる🍁   

 

🪷源氏物語 第16帖 関屋のあらすじはこちら

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