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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語535 第15帖 蓬生35】源氏は末摘花と歌を交わす。自身の植えた松ではないが、昔に比べて高くなった木を見ても、年月の長い隔たりが源氏に思われた。


泊まって行くことも

この家の様子と自身とが調和の取れないことを思って、

もっともらしく口実を作って源氏は帰ろうとした。

自身の植えた松ではないが、

昔に比べて高くなった木を見ても、

年月の長い隔たりが源氏に思われた。

そして源氏の自身の今日の身の上と

逆境にいたころとが思い比べられもした。

藤波《ふじなみ》の打ち過ぎがたく見えつるは

 まつこそ宿のしるしなりけれ

 数えてみればずいぶん長い月日になることでしょうね。

 物哀れになりますよ。

 またゆるりと悲しい旅人だった時代の話も聞かせに来ましょう。

 あなたもどんなに苦しかったかという辛苦の跡も、

 私でなくては聞かせる人がないでしょう。

 とまちがいかもしれぬが私は信じているのですよ」

などと源氏が言うと、

 年を経て待つしるしなきわが宿は

 花のたよりに過ぎぬばかりか

と低い声で女王は言った。

身じろぎに知れる姿も、

袖に含んだにおいも

昔よりは感じよくなった気がすると源氏は思った。

🪷冥の庭園 written by ハシマミ🪷

 

🌷第15帖 蓬生(よもぎう)のあらすじはこちら↓

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