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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

第八帖 花宴(はなのえん)源氏物語

【源氏物語 第8帖 花宴 はなのえん】漢詩を作り舞を披露した桜花の宴の夜 忍び込んだ弘徽殿で 美しい姫君と出会う🌸

如月に紫宸殿で催された桜花の宴で、 光源氏は頭中将らと共に漢詩を作り舞を披露した。 宴の後、朧月夜に誘われふと入り込んだ弘徽殿で、 源氏は廊下から聞こえる歌に耳を澄ます。 照りもせず 曇りも果てぬ 春の夜の 朧月夜に似るものぞなき 源氏はその歌を…

朧月夜‥運命の恋人【源氏物語127 第八帖 花宴11 完】酔ったふりをしながら、ため息する人に近づき 几帳越しに手を取る。ついに有明の姫君を探し当てる

「苦しいのにしいられた酒で私は困っています。 もったいないことですが こちらの宮様に はかばっていただく縁故があると思いますから」 妻戸に添った御簾の下から上半身を少し源氏は中へ入れた。 「困ります。あなた様のような尊貴な御身分の方は 親類の縁…

朧月夜の君はどこに?【源氏物語126第八帖 花宴10】右大臣の招きを受ける。酔った風をしながら 内親王方のおられる寝殿の妻戸に寄りかかる。

源氏は御所にいた時で、 帝《みかど》にこのことを申し上げた。 「得意なのだね」 帝はお笑いになって、 「使いまでもよこしたのだから行ってやるがいい。 孫の内親王たちのために 将来兄として力になってもらいたいと 願っている大臣の家《うち》だから」 …

右大臣からの招き【源氏物語 115第八帖 花宴9】有明の姫君を思いながら悩ましく過ごす源氏。そんな時、右大臣から藤の花の宴に招かれた。

有明《ありあけ》の君は 短い夢のようなあの夜を心に思いながら、 悩ましく日を送っていた。 東宮の後宮へこの四月ごろはいることに 親たちが決めているのが 苦悶の原因である。 源氏もまったく何人《なにびと》であるかの 見分けがつかなかったわけではなか…

夫と妻のすれ違い【源氏物語124 第八帖 花宴8】若紫の姫君は少しずつ大人になる。葵の上は相変わらず つれない。源氏は琴を弾きながら歌っていた。

この二、三日間に宮中であったことを語って聞かせたり、 琴を教えたりなどしていて、 日が暮れると源氏が出かけるのを、 紫の女王は少女心に物足らず思っても、 このごろは習慣づけられていて、 無理に留めようなどとはしない。 左大臣家の源氏の夫人は例に…

【源氏物語123 第八帖 花宴7】取り替えてきた扇は桜色の薄様で霞んだ月が描いてあった。若紫はしばらく見ないうちに美しく成長している。

源氏は胸のとどろくのを覚えた。 どんな方法によって 何女《なにじょ》であるかを知ればよいか、 父の右大臣にその関係を知られて 婿としてたいそうに待遇されるようなことになって、 それでいいことかどうか。 その人の性格も何もまだよく知らないのである…

【源氏物語122 第八帖 花宴6】春の宴であった有明の女君が誰か気になる源氏。良清や惟光に退出する車を見張らせる

太宰帥《だざいのそつ》親王の夫人や 頭中将が愛しない四の君などは美人だと聞いたが、 かえってそれであったらおもしろい恋を 経験することになるのだろうが、 六の君は東宮の後宮へ入れるはずだとか聞いていた、 その人であったら気の毒なことになったとい…

【源氏物語121 第八帖 花宴5】春の宴 朧月夜の女君との出会い。二人は扇を交換する。この一夜は源氏の運命を大きく変えていく

「ぜひ言ってください、だれであるかをね。 どんなふうにして手紙を上げたらいいのか、 これきりとはあなただって思わないでしょう」 などと源氏が言うと、 「うき身世に やがて消えなば 尋ねても 草の原をば 訪はじとや思ふ」 という様子にきわめて艶《えん…

【源氏物語120 第八帖 花宴4】「朧月夜に似るものぞなき」歌いながらくる女君との出会い。陥るべきところに陥った春の夜🌕源氏の運命は大きく動いていく。

若々しく貴女らしい声で、 「朧月夜《おぼろづきよ》に似るものぞなき」 と 歌いながらこの戸口へ出て来る人があった。 源氏はうれしくて突然|袖《そで》をとらえた。 女はこわいと思うふうで、 「気味が悪い、だれ」 と言ったが、 「何もそんなこわいもの…

美しい月は 人の心を惑わす【源氏物語119 第八帖 花宴3】春の夜の御所、源氏は不用心になっている弘徽殿の縁側に上がった。男も女も道を踏み外すのはこういう時‥

中宮はすぐれた源氏の美貌がお目にとまるにつけても、 東宮の母君の女御がどんな心で この人を憎みうるのであろうと 不思議にお思いになり、 そのあとではまたこんなふうに 源氏に関心を持つのもよろしくない心であると思召した。 大かたに 花の姿を見ましか…

東宮より挿頭の花を下賜される【源氏物語118 第八帖 花宴2 】紫宸殿にて桜の宴🌸美しい舞に左大臣は落涙する。頭中将の舞も素晴らしい。頭中将は御衣を賜る

春の永日《ながび》がようやく入り日の刻になるころ、 春鶯囀《しゅんおうてん》の舞がおもしろく舞われた。 源氏の紅葉賀の青海波《せいがいは》の巧妙であったことを 忘れがたく思召《おぼしめ》して、 東宮が源氏へ挿《かざし》の花を下賜あそばして、 ぜ…

紫宸殿の桜の宴🌸【源氏物語117 第八帖 花宴 1】探韵《たんいん》をいただいて詩を作った。源氏は春という字を賜った

二月の二十幾日に紫宸殿《ししんでん》の桜の宴があった。 玉座の左右に中宮と皇太子の御見物の室が設けられた。 弘徽殿《こきでん》の女御は 藤壺の宮が中宮になっておいでになることで、 何かのおりごとに不快を感じるのであるが、 催し事の見物は好きで、…