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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

第十一帖 花散里(はなちるさと)源氏物語

【源氏物語266 第十一帖 花散里6 完】源氏は静かに親しい風で座敷に入っていった。言葉を尽くし恋を語る源氏。嘘ではないのである。

西座敷のほうへは、静かに親しいふうではいって行った。 忍びやかに目の前へ現われて来た美しい恋人を見て、 どれほどの恨みが女にあっても忘却してしまったに違いない。 恋しかったことをいろいろな言葉にして源氏は告げていた。 嘘《うそ》ではないのであ…

【源氏物語265 第十一帖 花散里5】「橘の香をなつかしみ ほととぎす 花散る里を 訪ねてぞとふ」女御はしんみりとした気持ちになった。

モノローグ written by Koke 「橘の 香をなつかしみ ほととぎす 花散る里を 訪ねてぞとふ」 昔の御代《みよ》が恋しくてならないような時には どこよりもこちらへ来るのがよいと今わかりました。 非常に慰められることも、 また悲しくなることもあります。 …

【源氏物語264 第11帖 花散里4】橘の木が懐かしい香を送る。女御は柔らかい気分の受け取れる上品な人であった。昔の宮廷の話をし 源氏は色々と思い出し泣いた。

巡る思い出 written by 蒲鉾さちこ 目的にして行った家は、 何事も想像していたとおりで、 人少なで、寂しくて、身にしむ思いのする家だった。 最初に女御の居間のほうへ訪ねて行って、 話しているうちに夜がふけた。 二十日月が上って、 大きい木の多い庭が…

【源氏物語263 第11帖 花散里3】歌を読みかけるも、女はわざと知らない風である。源氏はもっともであると思いつつも もの足らぬ気がした。

あの日の僕たちへ(Dear Our Past Days) written by 蒲鉾さちこ ほととぎす 語らふ声は それながら あなおぼつかな 五月雨《さみだれ》の空 こんな返歌をするのは、 わからないふうをわざと作っているらしいので、 「では門違いなのでしょうよ」 と惟光が言…

【源氏物語262 第11帖 花散里2】中川辺を通っていく和琴を弾く音がした。そこは源氏がただ一度きたことがある女の家だった。

徒桜 written by のる 中川辺を通って行くと、 小さいながら庭木の繁りようなどのおもしろく見える家で、 よい音のする琴を和琴《わごん》に合わせて派手に弾く音がした。 源氏はちょっと心が惹かれて、 往来にも近い建物のことであるから、 なおよく聞こう…

🪷源氏物語 第十一帖 花散里(はなちるさと)

光源氏25歳夏の話。 五月雨の頃、 源氏は故桐壺院の妃の一人麗景殿女御を訪ねる。 妹の三の君(花散里)は源氏の恋人で、 姉妹は院の没後源氏の庇護を頼りに ひっそりと暮らしていた。 訪問の途中、 かつて会った中川の女の元に歌を詠みかけるが、 既に心変…

【源氏物語261 第11帖 花散里1】麗景殿の女御の妹君の花散里(はなちるさと)と古くからの恋仲であった源氏。ふと尋ねてみようと思った。

みずから求めてしている恋愛の苦は 昔もこのごろも変わらない源氏であるが、 ほかから受ける忍びがたい圧迫が近ごろになって ますます加わるばかりであったから、 心細くて、 人間の生活というものからのがれたい欲求も起こるが、 さてそうもならない絆《ほ…