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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【平家物語12 第1巻 額打論〈がくうちろん〉】〜The Tale of the Heike🪷

永万《えいまん》元年の春頃から、 病みつき勝ちだった天皇の容態が急変し、 六月には、 大蔵大輔伊岐兼盛《おおくらのたいふいきのかねもり》の娘に生ませた 第一皇子に位を譲られた。 間もなく七月、二十三歳という若さで世を去った。 時に新天皇は二歳と…

【源氏物語637 第20帖 朝顔19】月が出て淡い雪の光といっしょになった夜の色が美しかった。源氏は、真剣なふうに恋を訴える。朝顔の姫君は年を重ねた今になって結婚は考えられないと思う。

西のほうはもう格子が下《お》ろしてあったが、 迷惑がるように思われてはと斟酌《しんしゃく》して 一間二間はそのままにしてあった。 月が出て淡い雪の光といっしょになった夜の色が美しかった。 今夜は真剣なふうに恋を訴える源氏であった。 「ただ一言、…

【源氏物語636 第20帖 朝顔18】儚いのが人生であるからと源氏は思いながらも、源典侍が長生きをして 気楽に仏勤めして暮らしているのも仏のお教えになったこの世の相であると感じてしんみりとした。

「あのころのことは皆昔話になって、 思い出してさえあまりに今と遠くて心細くなるばかりなのですが、 うれしい方がおいでになりましたね。 『親なしに臥《ふ》せる旅人』と思ってください」 と言いながら、御簾のほうへからだを寄せる源氏に、 典侍《ないし…

【平家物語11 第1巻 二代の后〈きさき〉】〜The Tale of the Heike🌺

とかく戦乱がうち続き、世の中が騒然としてくると、 倫理とか、道徳といったものが、無視されがちである。 平家一門の栄耀栄華《えいようえいが》の陰には、 敗戦の不運に泣く源氏の将兵があり、 又、天皇と上皇は、 互にけんせいし合いながら、政権をねらう…

【平家物語10 第1巻 妓王④完〈ぎおう〉】〜The Tale of the Heike🪷

仏《ほとけ》も昔は凡夫なり 我等も遂には仏なり。 何《いず》れも仏性《ぶっしょう》具《ぐ》せる身を 隔《へだ》つるのみこそ悲しけれ。 俗謡《ぞくよう》に事よせて、切々と歌い続ける妓王の姿は、 並みいる人の涙をそそるものがあった。 清盛も少しは気…

【源氏物語635 第20帖朝顔17】五の宮様のお居間から退出した源氏。その時に 尼になって女五の宮のお弟子分でお仕えしている源典侍に会う。今でも息災であったことに驚く。

源氏はまず宮のお居間のほうで例のように話していたが、 昔話の取りとめもないようなのが長く続いて 源氏は眠くなるばかりであった。 宮もあくびをあそばして、 「私は宵惑《よいまど》いなものですから、 お話がもうできないのですよ」 とお言いになったか…

【平家物語9 第1巻 妓王③(ぎおう)】〜The Tale of the Heike💐

別れるとき、妓王は、居間の障子に一首の歌をかきつけた。 もえ出るもかるるも同じ野辺の草 いずれか秋にあわではつべき 今は得意絶頂の仏さま、 貴女《あなた》だっていつ何時、 私みたいなことにはなりかねないかも知れませんよ。 それは、妓王の精一杯の…

【平家物語8第1巻 妓王②】〜The Tale of the Heike🌹

邸を出ようとしていた仏は、たちまち呼び返されて、 清盛の前に連れて来られた。逢ってみると、 何せ、今をときめく白拍子である。 年は若いし、器量は良いし、その上、持ち前の度胸のよさで、 清盛の前に出ても、ハキハキと受け答えする様子が、 いかにも溌…

【源氏物語 634 第20帖 朝顔16】お屋敷の門は錆びていて なかなか開かない。物の錆びたことに時の流れを感じる。仮の世の執着が離れず、人に心の惹かれることのやむ時がない自分であると源氏は恥じた。

桃園のお邸《やしき》は北側にある普通の人の出入りする門をはいるのは 自重の足りないことに見られると思って、 西の大門から人をやって案内を申し入れた。 こんな天気になったから、 先触れはあっても源氏は出かけて来ないであろうと 宮は思っておいでにな…

平家物語7 第1帖 妓王(ぎおう)①〜The Tale of the Heike 🪷 🙇平家物語6ではなく7です🙇‍♀️

当時、京都には、妓王、妓女《ぎじょ》と呼ばれる、 白拍子《しらびょうし》の、ひときわ衆に抜きん出た姉妹があった。 その母も刀自《とじ》と呼ばれ、昔、白拍子であった。 清盛が目をつけたのは、姉の妓王で、片時も傍を離さずに寵愛していた。 おかげで…

【源氏物語633 第20帖 朝顔15】言い訳をしながら、朝顔の姫のもとを訪ねる準備をする源氏。「立派な方だけれど、恋愛をおやめにならない点が傷だね。御家庭がそれで済むまいと心配だ」と前駆の者も言う。

喪服の鈍《にび》色ではあるが 濃淡の重なりの艶《えん》な源氏の姿が 雪の光《あかり》でよく見えるのを、 寝ながらのぞいていた夫人はこの姿を見ることも 稀《まれ》な日になったらと思うと悲しかった。 前駆も親しい者ばかりを選んであったが、 「参内す…

【源氏物語638 第20帖 朝顔20】朝顔の姫君は、好意を見せても源氏の美貌だけを愛していると思われるのは嫌である。源氏を近づけることで この恋を源氏に看破されるのもつらくお思いになるのである。

「つれなさを 昔に懲りぬ 心こそ 人のつらさに添へてつらけれ 『心づから』 (恋しさも心づからのものなれば置き所なくもてぞ煩ふ)苦しみます」 「あまりにお気の毒でございますから」 と言って、女房らが女王に返歌をされるように勧めた。 「改めて 何かは…

【平家物語 第1巻6 一門の栄華】〜The Tale of the Heike 🪷

平家一族は、高位、高官の顕職を、ほしいままにし始めた。 一寸見廻しただけでも、長男 重盛《しげもり》は、 内大臣《ないだいじん》兼 左大将《さだいしょう》、 次男 宗盛《むねもり》は、中納言《ちゅうなごん》右大将、 三男|知盛《とももり》が三位《…

【平家物語 第1巻 5 禿童〈かぶろ〉】〜The Tale of the Heike

清盛は、五十一歳の時、出家し、浄海《じょうかい》と名乗った。 大病にかかったのが、きっかけで、 さしもの彼も、少しばかり、気が弱くなったらしい。 しかし、たちまち、病は全快、彼はつるつる頭を撫でながら、 「まだ当分生きられるぞ」 といってほくそ…

【平家物語 第1巻 4 鱸〈すずき〉】〜The Tale of the Heike 🪻

仁平《にんぺい》三年正月、忠盛は、五十八歳で死に、 息子の清盛《きよもり》が、跡を継いだ。 清盛は、父親にもまして、才覚並々ならぬ抜目のない男だったらしい。 保元《ほげん》、平治《へいじ》の乱と、 権力者の内紛に、おちょっかいを出しながら、 自…

源氏物語 インデックス〜The Tale of Genji 🌸

【源氏物語〜The Tale of Genji】 いづれの御時にか、 女御、更衣あまたさぶらひたまひけるなかに、 いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。 【ふるさと納税】京都・遊絲舎/真綿紬の絹糸が映える。丹後帯 半幅帯「源氏香」(グレ…

平家物語3〈殿上の闇討(やみうち)②〉〜The Tale of the Heike 🪷

戦場で鍛え上げた忠盛の目は、宮中のうす暗いところで、 かすかに人の気配のするのを敏感に感じ取った。 彼はやおら、刀を抜き放つと、 びゅん、びゅんと振り廻《まわ》したからたまらない。 大体が、臆病者揃いの公卿たちは、 闇夜《やみよ》にひらめく一閃…

【平家物語 第1巻🌺】1 祇園精舎〜22 内裏炎上まで

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。 奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。 猛き者も遂にはほろびぬ、 ひとへ に風の前の塵におなじ。 【第1巻】 【ふるさと納税】 着物 ベビー服 ファースト 袴 赤…

【源氏物語632 第20帖 朝顔14】朝顔の姫君の元へ向かう源氏を 紫の上は見ようともせず 明石の姫君の相手をしていた。源氏を信頼して暮らしてきた紫の上は、寂しい気持ちになっていた。

さすがに出かけの声をかけに源氏は夫人の所へ来た。 「女五の宮様が御病気でいらっしゃるから お見舞いに行って来ます」 ちょっとすわってこう言う源氏のほうを、 夫人は見ようともせずに姫君の相手をしていたが、 不快な気持ちはよく見えた。 「始終このご…

平家物語 第1巻2 〈殿上の闇討ち (やみうち)①〉〜The Tale of the Heike🪷

昔の権力者は、地位が安定してくるとやたらに、 お寺とか、お墓とかを建てる習慣があったらしい。 人力では及びのつかない、神仏の加護を借りて、 権力の座にいつまでも とどまることを願うという心理にもとづくものである。 鳥羽院もかねがね三十三間の御堂…

🪷平家物語 第1巻 1〈祇園精舎〉The Tale of the Heike

祇園精舎《ぎおんしょうじゃ》の鐘の声、 諸行無常の響《ひびき》あり。 娑羅双樹《しゃらそうじゅ》の花の色、 盛者《しょうじゃ》必衰の理《ことわり》をあらわす。 おごれる人も久しからず、唯、春の夜の夢のごとし。 猛《たけ》きものもついにはほろびぬ…

【源氏物語631 第20帖 朝顔13】源氏は、少し着て柔らかになった小袖になお薫物《たきもの》を多くしたり、化粧に時間を費やしたりして 朝顔の宮のところに訪ねる支度をしている。

冬の初めになって今年は神事がいっさい停止されていて寂しい。 つれづれな源氏はまた五の宮を訪ねに行こうとした。 雪もちらちらと降って艶《えん》な夕方に、 少し着て柔らかになった小袖《こそで》に なお薫物《たきもの》を多くしたり、 化粧に時間を費や…

【源氏物語630 第20帖 朝顔12】朝顔の姫君に夢中になって 御所の宿直の夜が多くなり、自宅でも手紙を書いている源氏に、紫の上は 姫君との噂は本当であり、打ち明けてくれてもいいのにと思った。

顧みられないというようなことはなくても、 源氏が重んじる妻は他の人で、自分は少女時代から養ってきた、 どんな薄遇をしても 甘んじているはずの妻にすぎないことになるのであろうと、 こんなことを思って夫人は煩悶《はんもん》しているが、 たいしたこと…

【源氏物語629 第20帖 朝顔11】朝顔の姫君と源氏が似合いの縁であるという世間の噂に 源氏の愛がうつってしまったら自分は惨めであろうと 辛い気持ちになる。

初めの態度はどこまでもお続けになる朝顔の女王の 普通の型でない点が、 珍重すべきおもしろいことにも思われてならない源氏であった。 世間はもうその噂《うわさ》をして、 「源氏の大臣は前斎院に御熱心でいられるから、 女五の宮へ御親切もお尽くしになる…

【源氏物語628 第20帖 朝顔10】源氏は朝顔の姫君に手紙を送り続ける。姫君は、冷静であり 友情以上の気持ちはなく 恋愛をする年でもないと 心動くことはなかった。

今になってまた若々しい恋の手紙を人に送るようなことも 似合わしくないことであると源氏は思いながらも、 昔から好意も友情もその人に持たれながら、 恋の成り立つまでにはならなかったのを思うと、 もうあとへは退《ひ》けない気になっていて、 再び情火を…

【源氏物語627 第20帖 朝顔9】源氏は朝顔に手紙をつけて朝顔の姫君に贈る。姫君からは、「秋にふさわしい花をお送りくださったことで ももの哀れな気持ちになっています」と言った返事があった。

不満足な気持ちで帰って行った源氏は ましてその夜が眠れなかった。 早く格子を上げさせて源氏は庭の朝霧をながめていた。 枯れた花の中に朝顔が 左右の草にまつわりながらあるかないかに咲いて、 しかも香さえも放つ花を折らせた源氏は、 前斎院へそれを贈…

【源氏物語626 第20帖 朝顔8】朝顔の姫君に袖にされた源氏。「あまりに哀れに自分が見えすぎますから」と深い歎息《たんそく》をしながら源氏は帰った。女房の宣旨は源氏に同情をした。

なべて世の 哀ればかりを 問ふからに 誓ひしことを 神やいさめん と斎院のお歌が伝えられる。 「そんなことをおとがめになるのですか。 その時代の罪は皆 科戸《しなど》の風に追 ってもらったはずです」 源氏の愛嬌《あいきょう》はこぼれるようであった。 …

【源氏物語625 第20帖 朝顔7】「今はもう神に託しておのがれになることもできないはずです。私が不幸な目にあっていた時以来の苦しみの記録の片端でもお聞きください」源氏は朝顔の姫君に会いたいと伝える。

「今になりまして、 お居間の御簾の前などにお席をいただくことかと 私はちょっと戸惑いがされます。 どんなに長い年月にわたって 私は志を申し続けてきたことでしょう。 その労に酬《むく》いられて、 お居間へ伺うくらいのことは 許されていいかと信じてき…

【第12帖 須磨 すま】源氏の君 26歳頃‥源氏は都を離れ わずかな側近とともに須磨へ

朧月夜との仲が発覚し、 追いつめられた光源氏は後見する東宮に累が及ばないよう、自ら須磨への退去を決意する。 左大臣家を始めとする親しい人々や藤壺に暇乞いをし、 東宮や女君たちには別れの文を送り、 一人残してゆく紫の上には領地や財産をすべて託し…

【第10帖 賢木 さかき】光源氏23歳秋9月から25歳夏の話。六条御息所の伊勢下向 野の宮の別れ

光源氏23歳秋9月から25歳夏の話。 源氏との結婚を諦めた六条御息所は、 娘の斎宮と共に伊勢へ下ることを決意する。 紫の上と結婚した源氏も、 さすがに御息所を哀れに思って秋深まる野の宮を訪れ、 別れを惜しむのだった。 斎宮下向から程なく、桐壺帝が重態…