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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語632 第20帖 朝顔14】朝顔の姫君の元へ向かう源氏を 紫の上は見ようともせず 明石の姫君の相手をしていた。源氏を信頼して暮らしてきた紫の上は、寂しい気持ちになっていた。

さすがに出かけの声をかけに源氏は夫人の所へ来た。

「女五の宮様が御病気でいらっしゃるから

 お見舞いに行って来ます」

 ちょっとすわってこう言う源氏のほうを、

夫人は見ようともせずに姫君の相手をしていたが、

不快な気持ちはよく見えた。

 

「始終このごろは機嫌が悪いではありませんか、

 無理でないかもしれない。

 長くいっしょにいてはあなたに飽かれると思って、

 私は時々御所で宿直《とのい》をしたりしてみるのが、

 それでまたあなたは不愉快になるのですね」

 

「ほんとうに長く同じであるものは悲しい目を見ます」

とだけ言って向こうを向いて寝てしまった女王を

置いて出て行くことはつらいことに源氏は思いながらも、

もう御訪問の報《しら》せを宮に申し上げたのちであったから、

やむをえず二条の院を出た。

こんな日も自分の上にめぐってくるのを知らずに、

源氏を信頼して暮らしてきたと寂しい気持ちに夫人はなっていた。

🪷🎼#あの日も雨 written by#yuhei komatsu

 

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