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当時、京都には、妓王、妓女《ぎじょ》と呼ばれる、 白拍子《しらびょうし》の、ひときわ衆に抜きん出た姉妹があった。 その母も刀自《とじ》と呼ばれ、昔、白拍子であった。 清盛が目をつけたのは、姉の妓王で、片時も傍を離さずに寵愛していた。 おかげで…
喪服の鈍《にび》色ではあるが 濃淡の重なりの艶《えん》な源氏の姿が 雪の光《あかり》でよく見えるのを、 寝ながらのぞいていた夫人はこの姿を見ることも 稀《まれ》な日になったらと思うと悲しかった。 前駆も親しい者ばかりを選んであったが、 「参内す…
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