元服の式を上げる用意がされていて、
源氏は二条の院で行なわせたく思うのであったが、
祖母の宮が御覧になりたく思召すのがもっともで、
そうしたことはお気の毒に思われて、
やはり今までお育てになった宮の御殿でその式をした。
右大将を始め伯父君《おじぎみ》たちが
皆りっぱな顕官になっていて勢力のある人たちであったから、
母方の親戚からの祝品その他の贈り物もおびただしかった。
かねてから京じゅうの騒ぎになるほど
華美な祝い事になったのである。
初めから四位にしようと源氏は思ってもいたことであったし、
世間もそう見ていたが、まだきわめて小さい子を、
何事も自分の意志のとおりになる時代にそんな取り計らいをするのは、
俗人のすることであるという気がしてきたので、
源氏は長男に四位を与えることはやめて、
六位の浅葱《あさぎ》の袍《ほう》を着せてしまった。
大宮《おおみや》が言語道断のことのようにこ
れをお歎きになったことはお道理でお気の毒に思われた。
源氏は宮に御面会をしてその問題でお話をした。
🪻🎼#凛 written by #Fukagawa
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