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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語627 第20帖 朝顔9】源氏は朝顔に手紙をつけて朝顔の姫君に贈る。姫君からは、「秋にふさわしい花をお送りくださったことで ももの哀れな気持ちになっています」と言った返事があった。

不満足な気持ちで帰って行った源氏は

ましてその夜が眠れなかった。

早く格子を上げさせて源氏は庭の朝霧をながめていた。

枯れた花の中に朝顔が

左右の草にまつわりながらあるかないかに咲いて、

しかも香さえも放つ花を折らせた源氏は、

前斎院へそれを贈るのであった。

 

あまりに他人らしくお扱いになりましたから、

きまりも悪くなって帰りましたが、

哀れな私の後ろ姿を

どうお笑いになったことかと口惜しい気もしますが、

しかし、

見し折りの つゆ忘られぬ  朝顔の

花の盛りは 過ぎやしぬらん

どんなに長い年月の間あなたを

お思いしているかということだけは

知っていてくださるはずだと思いまして、

私は歎《なげ》きながらも希望を持っております。

 

という手紙を源氏は書いたのである。

真正面から恋ばかりを言われているのでもない中年の源氏の

おとなしい手紙に対して、

返事をせぬことも感情の乏しい女と思われることであろうと

女王もお思いになり、

女房たちもそう思って硯《すずり》の用意などしたので

お書きになった。

秋はてて 霧の籬《まがき》に むすぼほれ

あるかなきかに うつる朝顔

秋にふさわしい花をお送りくださいましたことででも

もの哀れな気持ちになっております。

 

とだけ書かれた手紙はたいしておもしろいものでもないはずであるが、

源氏はそれを手から放すのも惜しいようにじっとながめていた。

青鈍《あおにび》色の柔らかい紙に書かれた字は美しいようであった。

書いた人の身分、書き方などが補ってその時はよい文章、

よい歌のように思われたことも、

改めて本の中へ書き載せると つたない点の現われてくるものであるから、

手紙の文章や歌というようなものは、

この話の控え帳に筆者は大部分省くことにしていたので、

採録したものにも書き誤りがあるであろうと思われる。

🪷🎼#漂う梅花の香 written by#alaki paca

 

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