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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【平家物語 第1巻 5 禿童〈かぶろ〉】〜The Tale of the Heike


清盛は、五十一歳の時、出家し、浄海《じょうかい》と名乗った。

大病にかかったのが、きっかけで、

さしもの彼も、少しばかり、気が弱くなったらしい。

しかし、たちまち、病は全快、彼はつるつる頭を撫でながら、

「まだ当分生きられるぞ」

といってほくそ笑んだ。

 

とにかく、平家一族の繁栄振りは、ちょっと類がなかった。

かつての名門の貴族たちにしても、

今では、まともに顔も合せられない有様である。

 平家に非ずんば人に非ずといった言葉も、

むしろ当然のように迎えられたし、

六波羅《ろくはら》風と言えば、猫も杓子も、右へならえで、

烏帽子《えぼし》の折り方やら、着つけの仕方まで、

皆が平家一族を真似するのである。

 

こういった平氏の専横に対して、

不満の声のない方が不思議な位なのだが、

そこはそれ、万事、ソツのない清盛入道は、

言論弾圧の機関もちゃんと用意していた。

いわゆる平家直属の秘密警察とも言えるこの一隊の正体は、

十四、五の少年部隊である。髪をお河童《かっぱ》に、

赤い直帯《ひたたれ》を着た禿童と呼ばれる面々は、

街々の角々で、一寸《ちょっと》した噂《うわさ》ばなしにさえ、

聞耳をたてていた。

一言でも、平家の悪口なぞ、いおうものなら、

たちどころに、家財没収、強制収容の憂き目に会う。

今はただ、眼をとじ、耳をおさえ、口をふさいで、

人々は、黙々と平家の命に従うばかりである。

それを良いことにして、禿童《かぶろ》たちは、

京の街々を、我が物顔に歩き廻る。

今日の愚連隊どころではない、絶対の権力を背景にしているだけに、

それはもっと始末の悪いものだったにちがいない。

🌹🎼#復讐 written by #ハシマミ

 

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