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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

2023-07-14から1日間の記事一覧

【源氏物語463 第14帖 澪標37】葵上の父 の太政大臣と源氏の君の勢力はまし、葵上の兄の権中納言の娘が入内した。兵部卿の宮の姫君も入内したが源氏は素っ気ない。

現代には二つの大きな勢力があって、 一つは太政大臣、 一つは源氏の内大臣がそれで、 この二人の意志で何事も断ぜられ、 何事も決せられるのであった。 権中納言の娘がその年の八月に後宮へはいった。 すべての世話は祖父の大臣がしていて はなやかな仕度《…

【源氏物語460 第14帖 澪標34】朱雀院は音楽の会などをあそばして風流に暮らしておいでになった。東宮の母君は 思わぬ幸運に恵まれて東宮の御在所に侍している。

院は暢気《のんき》におなりあそばされて、 よくお好きの音楽の会などをあそばして 風流に暮らしておいでになった。 女御《にょご》も更衣《こうい》も御在位の時のままに侍しているが、 東宮の母君の女御だけは、 以前取り立てて御寵愛《ちょうあい》があっ…

【源氏物語449 第14帖 澪標23】源氏は 明石の姫君の五十日《いか》の祝いを思いやる。源氏は その日に合わせて華奢な祝い品、さまざまな実用品を贈った。

五月の五日が五十日《いか》の祝いにあたるであろうと 源氏は人知れず数えていて、その式が思いやられ、 その子が恋しくてならないのであった。 紫の女王に生まれた子であったなら、 どんなにはなやかにそれらの式を 自分は行なってやったことであろうと残念…

【源氏物語448 第14帖 澪標22】源氏が語る明石の君に 紫の上は嫉妬する。源氏は十三弦を弾くように進めるが 名手と言われる明石の君が気になってか手も触れない。

別れの夕べに前の空を流れた塩焼きの煙のこと、 女の言った言葉、 ほんとうよりも控え目な女の容貌の批評、 名手らしい琴の弾きようなどを 忘られぬふうに源氏の語るのを聞いている女王は、 その時代に自分は一人で どんなに寂しい思いをしていたことであろ…

【源氏物語447 第14帖 澪標21】離れていた日々を思い、どれほど悲しかったことかと思い出していた源氏は、紫の上に比べると それほどの恋愛でないと思われた。

どんなにこの人が恋しかったろうと別居時代のことを思って、 おりおり書き合った手紙に どれほど悲しい言葉が盛られたものであろうと思い出していた源氏は、 明石の女のことなどはそれに比べて命のある恋愛でもないと思われた。 「子供に私が大騒ぎして使い…

【源氏物語446 第14帖 澪標20】紫の上に明石の君の姫君の話をした。京に呼び貴女に見せよう。憎んではいけませんよと言う源氏。紫の上は恨み言を言うが、源氏は悲しくなり涙ぐむ。

夫人には明石の話をあまりしないのであるが、 ほかから聞こえて来て不快にさせてはと思って、 源氏は明石の君の出産の話をした。 「人生は意地の悪いものですね。 そうありたいと思うあなたにはできそうでなくて、 そんな所に子が生まれるなどとは。 しかも…

【源氏物語445 第14帖 澪標19】明石の上は、感想を少し書いて歌を添えてきた。源氏は明石にいる我が子が心にかかり みたくてならぬ気がした。

明石の君は感想を少し書いて、 一人して 撫《な》づるは袖《そで》の ほどなきに 覆《おほ》ふばかりの 蔭《かげ》をしぞ待つ と歌も添えて来た。 怪しいほど源氏は明石の子が心にかかって、 見たくてならぬ気がした。 ❄️雪花歌譚 written by のる❄️ 少納言…

【源氏物語444 第14帖 澪標18】明石の上は、物思いのため衰弱した身体で出産をしたが、源氏の至誠に慰められ力づけられた。送ってきた侍にも入道は心を込め歓待をした。

若い母は幾月かの連続した物思いのため 衰弱したからだで出産をして、 なお命が続くものとも思っていなかったが、 この時に見せられた源氏の至誠にはおのずから慰められて、 力もついていくようであった。 送って来た侍に対しても入道は心をこめた歓待をした…

【源氏物語443 第14帖 澪標17】国境までは船で、それから馬で乳母は明石に着いた。入道は感激して今日を拝んだほどである。姫君は美しい。乳母は姫君を大切にした。

摂津の国境《くにざかい》までは船で、 それからは馬に乗って乳母は明石へ着いた。 入道は非常に喜んでこの一行を受け取った。 感激して京のほうを拝んだほどである。 そしていよいよ姫君は尊いものに思われた。 おそろしいほどたいせつなものに思われた。 …

【源氏物語442 第14帖 澪標16】源氏は明石の上、姫君に多くの贈り物をした。乳母にも十分報いた。源氏は明石入道の喜びようを想像して微笑した

京の間だけは車でやった。 親しい侍を一人つけて、 あくまでも秘密のうちに乳母《めのと》は送られたのである。 守り刀ようの姫君の物、若い母親への多くの贈り物等が 乳母に託されたのであった。 乳母にも十分の金品が支給されてあった。 源氏は入道がどん…

【源氏物語441 第14帖 澪標15】源氏は明石の姫君の乳母の家に寄った。訪問により宣旨の娘(乳母)の気持ちは固まった。源氏は冗談を言い、女は冷やかした。

外出したついでに源氏はそっとわが子の新しい乳母の家へ寄った。 快諾を伝えてもらったのであるが、 なお女はどうしようかと煩悶《はんもん》していた所へ 源氏みずからが来てくれたので、 それで旅に出る心も慰んで、 あきらめもついた。 「御意のとおりに…

【源氏物語440 第14帖 澪標14】父は 宮内卿の宰相、母は父帝の女房であった宣旨の娘を乳母として明石に赴くことを交渉する。宣旨の娘は承諾する。

明石のような田舎に 相当な乳母《めのと》がありえようとは思われないので、 父帝の女房をしていた宣旨《せんじ》という女の娘で 父は宮内卿《くないきょう》宰相だった人であったが、 母にも死に別れ、寂しい生活をするうちに恋愛関係から 子供を生んだとい…

【源氏物語439 第14帖 澪標13】自分から后が生まれると言うことが明石のしらせと符合する。后になる姫君を京に呼ぼうと思い 東の院の建築を急がせていた。

源氏は相人の言葉のよく合う実証として、 今帝の御即位が思われた。 后《きさき》が一人自分から生まれるということに 明石の報《しら》せが符合することから、 住吉《すみよし》の神の庇護《ひご》によって あの人も后の母になる運命から、 父の入道が自然…

【源氏物語438 14帖 澪標12】源氏は占いで、子は3人、帝と后が生まれ、一番劣った運命の子は太政大臣で人臣の位を極めると言われた。

源氏の運勢を占って、 子は三人で、 帝《みかど》と后《きさき》が生まれる、 いちばん劣った運命の子は太政大臣で、 人臣の位をきわめるであろう、 その中のいちばん低い女が女の子の母になるであろうと言われた。 また源氏が人臣として 最高の位置を占める…

【源氏物語437 第14帖 澪標11】源氏は二条東院を改築し 花散里達を住まわせることにする。明石の上は姫君を出産。源氏は今日でお産をさせれば良かったと思う。

二条の院の東に隣った邸《やしき》は 院の御遺産で源氏の所有になっているのを このごろ源氏は新しく改築させていた。 花散里《はなちるさと》などという恋人たちを住ませるための 設計をして造られているのである。 源氏は明石《あかし》の君の妊娠していた…

【源氏物語436 第14帖 澪標10】源氏は葵上の父母をよく訪ねた。そして源氏は、今まで忠実に勤めてきたもの達に報いた。中将、中務 愛しんだ女性達も大切にした。

源氏は今も昔のとおりに老夫妻に好意を持っていて 何かの場合によく訪《たず》ねて行った。 若君の乳母 そのほかの女房も長い間そのままに勤めている者に、 厚く酬《むく》いてやることも源氏は忘れなかった。 幸せ者が多くできたわけである。 二条の院でも…

【源氏物語435 第14帖 澪標9】親友の中将は権中納言になった。四の君が産んだ姫君を未来のお妃として大切に育てている。夕霧も殿上童として御所に上がる。

一時不遇なように見えた子息たちも浮かび出たようである。 その中でも宰相中将は権中納言になった。 四の君が生んだ今年十二になる姫君を 早くから後宮に擬して中納言は大事に育てていた。 以前二条の院につれられて来て高砂《たかさご》を歌った子も 元服さ…

【源氏物語433 第14帖 澪標7】朱雀帝は譲位され、承香殿の女御の皇子が東宮に。源氏は内大臣。摂政は致仕の左大臣にお譲りになった。

この同じ月の二十幾日に譲位のことが行なわれた。 太后はお驚きになった。 「ふがいなく思召すでしょうが、 私はこうして静かにあなたへ御孝養がしたいのです」 と帝はお慰めになったのであった。 東宮には承香殿《じょうきょうでん》の女御のお生みした皇子…

【源氏物語432 第14帖 澪標6】東宮の御元服があった。十二でおありになるがお綺麗で源氏に瓜二つである。母宮はそれを人知れず苦労にしておいでになった。

翌年の二月に東宮の御元服があった。 十二でおありになるのであるが、 御年齢のわりには御大人《おんおとな》らしくて、 おきれいで、 ただ源氏の大納言の顔が二つできたようにお見えになった。 まぶしいほどの美を備えておいでになるのを、 世間ではおほめ…

【源氏物語431 第14帖 澪標5】帝はお美しく、朧月夜の尚侍を深くお会いしになる。源氏は優れているが自分を思う愛はそれほどでない。

帝は御容姿もおきれいで、 深く尚侍をお愛しになる御心は年月とともに顕著になるのを、 尚侍は知っていて、 源氏はすぐれた男であるが、 自分を思う愛はこれほどのものでなかったということも ようやく悟ることができてきては、 若い無分別さからあの大事件…

【源氏物語429 第14帖 澪標3 】朱雀帝は朧月夜の尚侍が頼る人がないふうに見えるのを哀れに思し召した。帝は泣いておいでになった。

帝は近く御遜位《ごそんい》の思召しがあるのであるが、 尚侍《ないしのかみ》がたよりないふうに見えるのを 憐《あわ》れに思召した。 「大臣は亡《な》くなるし、 大宮も始終お悪いのに、 私さえも余命がないような気がしているのだから、 だれの保護も受…

【源氏物語430 第14帖 澪標4】朧月夜の尚侍が涙をこぼしているのをご覧になる朱雀帝、どんな罪も許してしまうと思し召され、愛情が深まるばかりである。

羞恥に頬を染めているためにいっそうはなやかに、 愛嬌がこぼれるように見える尚侍も 涙を流しているのを御覧になると、 どんな罪も許すに余りあるように思召されて、 御愛情がそのほうへ傾くばかりであった。 「なぜあなたに子供ができないのだろう。 残念…

【源氏物語428 第14帖 澪標2】大后は源氏を追い落とせなかったと口惜しく思う。帝は源氏をお召しになり政治についても隔てのない進言をお聞きになる。

今日も重く煩っておいでになる太后は、 その中ででも源氏を不運に落としおおせなかったことを 口惜《くちお》しく思召《おぼしめ》すのであったが、 帝《みかど》は院の御遺言をお思いになって、 当時も報いが御自身の上へ落ちてくるような恐れを お感じにな…