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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語446 第14帖 澪標20】紫の上に明石の君の姫君の話をした。京に呼び貴女に見せよう。憎んではいけませんよと言う源氏。紫の上は恨み言を言うが、源氏は悲しくなり涙ぐむ。


夫人には明石の話をあまりしないのであるが、

ほかから聞こえて来て不快にさせてはと思って、

源氏は明石の君の出産の話をした。

「人生は意地の悪いものですね。

 そうありたいと思うあなたにはできそうでなくて、

 そんな所に子が生まれるなどとは。

 しかも女の子ができたのだからね、

 悲観してしまう。

 うっちゃって置いてもいいのだけれど、

 そうもできないことでね、

 親であって見ればね。

 京へ呼び寄せてあなたに見せてあげましょう。

 憎んではいけませんよ」

 

「いつも私がそんな女であるとしてあなたに言われるかと思うと

 私自身もいやになります。

 けれど女が恨みやすい性質になるのはこんなことばかりが

 あるからなのでしょう」

と女王《にょおう》は怨《うら》んだ。

 

「そう、だれがそんな習慣をつけたのだろう。

 あなたは実際私の心持ちをわかろうとしてくれない。

 私の思っていないことを忖度《そんたく》して

 恨んでいるから私としては悲しくなる」

と言っているうちに源氏は涙ぐんでしまった。

 

🍂🎼木枯らしの帰路 written by キュス🍂

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