子は三人で、
帝《みかど》と后《きさき》が生まれる、
いちばん劣った運命の子は太政大臣で、
人臣の位をきわめるであろう、
その中のいちばん低い女が女の子の母になるであろうと言われた。
また源氏が人臣として
最高の位置を占めることも言われてあったので、
それは有名な相人《そうにん》たちの言葉が
皆一致するところであったが、
逆境にいた何年間は
そんなことも心に否定するほかはなかったのである。
当帝が即位されたことは源氏にうれしかったが、
自身の上に高御座《たかみくら》の栄誉を
希《ねが》わないことは少年の日と少しも異なっていなかった。
あるまじいことと思っている。
多くの皇子たちの中にすぐれてお愛しになった父帝が
人臣の列に自分をお置きになった御精神を思うと、
自分の運と天位とは別なものであると思う源氏であった。
❄️🎼雪月花 written by まんぼう二等兵🪷
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