羞恥に頬を染めているためにいっそうはなやかに、
愛嬌がこぼれるように見える尚侍も
涙を流しているのを御覧になると、
どんな罪も許すに余りあるように思召されて、
御愛情がそのほうへ傾くばかりであった。
「なぜあなたに子供ができないのだろう。
残念だね。
前生の縁の深い人とあなたの中にはすぐにまた
その悦《よろこ》びをする日もあるだろうと思うとくやしい。
それでも気の毒だね、親王を生むのでないから」
こんな未来のことまでも仰せになるので、
恥ずかしい心がしまいには悲しくばかりなった。
🍂🎼沈む秋 written by のる🍂
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