一時不遇なように見えた子息たちも浮かび出たようである。
その中でも宰相中将は権中納言になった。
四の君が生んだ今年十二になる姫君を
早くから後宮に擬して中納言は大事に育てていた。
以前二条の院につれられて来て高砂《たかさご》を歌った子も
元服させて幸福な家庭を中納言は持っていた。
腹々に生まれた子供が多くて一族がにぎやかであるのを
源氏はうらやましく思っていた。
太政大臣家で育てられていた源氏の子はだれよりも美しい子供で、
御所へも東宮へも殿上童《てんじょうわらわ》として
出入りしているのである。
源氏の葵《あおい》夫人の死んだことを、
父母はまたこの栄えゆく春に悲しんだ。
しかしすべてが昔の婿の源氏によってもたらされた光明であって、
何年かの暗い影が源氏のためにこの家から取り去られたのである。
🌷🎼 新しい朝、風に乗って(Blandnew morning,ride the wind)🌷
🌼written by 蒲鉾さちこ
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