院は暢気《のんき》におなりあそばされて、
よくお好きの音楽の会などをあそばして
風流に暮らしておいでになった。
女御《にょご》も更衣《こうい》も御在位の時のままに侍しているが、
東宮の母君の女御だけは、
以前取り立てて御寵愛《ちょうあい》があったというのではなく、
尚侍にけおされた後宮の一人に過ぎなかったが、
思いがけぬ幸福に恵まれた結果になって、
一人だけ離れて御所の中の東宮の御在所に
侍しているのである。
源氏の現在の宿直所《とのいどころ》も
やはり昔の桐壺《きりつぼ》であって、
梨壺《なしつぼ》に東宮は住んでおいでになるのであったから、
御近所であるために源氏はその御殿とお親しくして、
自然東宮の御後見もするようになった。
🌸ある春の日に…(One spring day...) by 蒲鉾さちこ(Kamaboko Sachiko)🌸
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