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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

朧月夜の君はどこに?【源氏物語126第八帖 花宴10】右大臣の招きを受ける。酔った風をしながら 内親王方のおられる寝殿の妻戸に寄りかかる。

源氏は御所にいた時で、

帝《みかど》にこのことを申し上げた。

「得意なのだね」

 帝はお笑いになって、

「使いまでもよこしたのだから行ってやるがいい。

 孫の内親王たちのために

 将来兄として力になってもらいたいと

 願っている大臣の家《うち》だから」

など仰せられた。

 

ことに美しく装って、

ずっと日が暮れてから待たれて源氏は行った。

桜の色の支那錦《しなにしき》の直衣《のうし》、

赤紫の下襲《したがさね》の裾《すそ》を長く引いて、

ほかの人は皆 正装の袍《ほう》を着て出ている席へ、

《えん》な宮様姿をした源氏が、

多数の人に敬意を表されながらはいって行った。

桜の花の美がこの時にわかに減じてしまったように思われた。

 

音楽の遊びも済んでから、

夜が少しふけた時分である。

源氏は酒の酔いに悩むふうをしながらそっと席を立った。

中央の寝殿《しんでん》に女一《にょいち》の宮《みや》、

女三の宮が住んでおいでになるのであるが、

そこの東の妻戸の口へ源氏はよりかかっていた。

《ふじ》はこの縁側と東の対の間の庭に咲いているので、

格子は皆上げ渡されていた。

御簾《みす》ぎわには女房が並んでいた。

その人たちの外へ出している袖口の重なりようの大ぎょうさは

踏歌《とうか》の夜の見物席が思われた。

今日などのことにつりあったことではないと見て、

趣味の洗練された藤壺辺のことがなつかしく

源氏には思われた。

 

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【源氏物語 第八帖 花宴 はなのえん】

如月に紫宸殿で催された桜花の宴で、

光源氏は頭中将らと共に漢詩を作り舞を披露した。

宴の後、朧月夜に誘われふと入り込んだ弘徽殿で、

源氏は廊下から聞こえる歌に耳を澄ます。

照りもせず 曇りも果てぬ 春の夜の 

 

朧月夜に似るものぞなき

源氏はその歌を詠んでいた若い姫君と出逢い契りを交わす。

 

素性も知らぬままに扇を取り交わして別れた姫君こそ、

春宮への入内が決まっている右大臣の

六の君(朧月夜)だった。

 

一月後、

右大臣家の藤花の宴に招かれた源氏は

装いを凝らして訪れた。 

右大臣にかなり呑まされ、

酔いを醒ますためその場を離れた源氏。

 

偶然通りかかったところで、

御簾のうちにいる六の君を発見。

歌を詠みかけるが(催馬楽「石川」)、

事情を知らない六の君の姉妹たちは

「おかしな高麗人がいるものね」と訝しがる。

ついに見つけ出した、

源氏はさりげなく姫君の手を握った。

 

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