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有明《ありあけ》の君は 短い夢のようなあの夜を心に思いながら、 悩ましく日を送っていた。 東宮の後宮へこの四月ごろはいることに 親たちが決めているのが 苦悶の原因である。 源氏もまったく何人《なにびと》であるかの 見分けがつかなかったわけではなか…
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