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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語123 第八帖 花宴7】取り替えてきた扇は桜色の薄様で霞んだ月が描いてあった。若紫はしばらく見ないうちに美しく成長している。

源氏は胸のとどろくのを覚えた。

どんな方法によって

何女《なにじょ》であるかを知ればよいか、

父の右大臣にその関係を知られて

婿としてたいそうに待遇されるようなことになって、

それでいいことかどうか。

その人の性格も何もまだよく知らないのであるから、

結婚をしてしまうのは危険である、

そうかといってこのまま関係が進展しないことにも堪えられない、

どうすればいいのかとつくづく物思いをしながら源氏は寝ていた。

姫君がどんなに寂しいことだろう、

幾日も帰らないのであるからと

かわいく二条の院の人を思いやってもいた。

 

取り替えてきた扇は、

桜色の薄様を三重に張ったもので、

地の濃い所に《かす》んだ月が描いてあって、

下の流れにもその影が映してある。

珍しくはないが貴女《きじょ》の手に

使い馴らされた跡がなんとなく残っていた。

草の原をば と言った時の美しい様子が目から去らない源氏は、

世に知らぬ ここちこそすれ 有明の

月の行方《ゆくへ》を 空にまがへて

と扇に書いておいた。

 

翌朝 源氏は、左大臣家へ久しく行かないことも思われながら、

二条の院の少女が気がかりで、

寄ってなだめておいてから行こうとして自邸のほうへ帰った。

二、三日ぶりに見た最初の瞬間にも

若紫の美しくなったことが感ぜられた。

 

愛嬌《あいきょう》があって、

そしてまた凡人から見いだしがたい貴女らしさを多く備えていた。

理想どおりに育て上げようとする源氏の好みにあっていくようである。

教育にあたるのが男であるから、

いくぶんおとなしさが少なくなりはせぬかと思われて、

その点だけを源氏は危《あやぶ》んだ。

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【源氏物語 第八帖 花宴 はなのえん】

如月に紫宸殿で催された桜花の宴で、

光源氏は頭中将らと共に漢詩を作り舞を披露した。

宴の後、朧月夜に誘われふと入り込んだ弘徽殿で、

源氏は廊下から聞こえる歌に耳を澄ます。

照りもせず 曇りも果てぬ 春の夜の 

 

朧月夜に似るものぞなき

源氏はその歌を詠んでいた若い姫君と出逢い契りを交わす。

 

素性も知らぬままに扇を取り交わして別れた姫君こそ、

春宮への入内が決まっている右大臣の

六の君(朧月夜)だった。

 

一月後、

右大臣家の藤花の宴に招かれた源氏は

装いを凝らして訪れた。 

右大臣にかなり呑まされ、

酔いを醒ますためその場を離れた源氏。

 

偶然通りかかったところで、

御簾のうちにいる六の君を発見。

歌を詠みかけるが(催馬楽「石川」)、

事情を知らない六の君の姉妹たちは

「おかしな高麗人がいるものね」と訝しがる。

ついに見つけ出した、

源氏はさりげなく姫君の手を握った。

 

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