源氏が絵を集めていると聞いて、
権中納言はいっそう自家で傑作をこしらえることに努力した。
巻物の軸、紐《ひも》の装幀《そうてい》にも
意匠を凝らしているのである。
それは三月の十日ごろのことであったから、
最もうららかな好季節で、
人の心ものびのびとしておもしろくばかり物が見られる時であったし、
宮廷でも定まった行事の何もない時で、
絵画や文学の傑作をいかにして集めようかと
苦心をするばかりが仕事になっていた。
これを皆陛下へ差し上げることにして公然の席で勝負を決めるほうが
興味のあってよいことであると源氏がまず言い出した。
双方から出すのであるから宮中へ集まった絵巻の数は多かった。
🪻幻想花 written by Notzan ACT🪻
🌸第17帖 絵合(えあわせ)の内容はこちら
少納言のホームページ 源氏物語&古典 syounagon-web ぜひご覧ください🪷
https://syounagon-web-1.jimdosite.com
🪷聴く古典文学 少納言チャンネルは、聴く古典文学動画。チャンネル登録お願いします🪷