【源氏物語 第四帖 夕顔(ゆうがお)】
【The Tale of Genji Chapter 4 Yugao (Evening Faces)】
源氏17歳夏から10月.
従者藤原惟光の母親でもある乳母の見舞いの折、
隣の垣根に咲くユウガオの花に目を留めた源氏が取りにやらせたところ、
邸の住人が和歌で返答する。
市井の女とも思えない教養に興味を持った源氏は、
身分を隠して彼女のもとに通うようになった。
可憐なその女は自分の素性は明かさないものの、
逢瀬の度に頼りきって身を預ける風情が心をそそり、
源氏は彼女にのめりこんでいく。
あるとき、逢引の舞台として寂れた某院
(なにがしのいん、源融の旧邸六条河原院がモデルとされる)
に 夕顔を連れ込んだ源氏であったが、
深夜に女性の霊(六条御息所とも言われるが不明)が現れて
恨み言を言う怪異にあう。
夕顔はそのまま人事不省に陥り、
明け方に息を引き取った。
夕顔の葬儀を終え、
源氏は夕顔に仕えていた女房・右近から夕顔はかつて、
頭中将の側室だった事を打ち明けられる。
源氏はかつて「雨夜の品定め」で頭中将が語っていた
「愛した女人が、北の方の嫉妬に遭い、姿を消した。」
その女人が夕顔であることを悟る。
さらに、姫君(後の玉鬘)が一人いる事を知った源氏は、
右近に「姫君を引き取りたい」と切り出すが、
惟光に制止された。
騒ぎになる事を恐れ事を公にせず、
しばらくしてから夕顔が暮らしていた家へ向かった源氏。
しかし、夕顔の家はすでに無人だった。
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