院へ済まないという遠慮から、
単に好意のある態度を取っているというふうを示していた。
もとからよい女房の多い宮であったから、
実家に引いていがちだった人たちも皆出て来て、
すでにはなやかな女御の形態が調ったように見えた。
御息所《みやすどころ》が生きていたならば、
どんなにこうしたことをよろこぶことであろう、
聡明な後見役として
女御の母であるのに最も適した性格であったと
源氏は故人が思い出されて、
恋人としてばかりでなく、
あの人を失ったことはこの世の損失であるとも源氏は思った。
洗練された高い趣味の人といっても、
あれほどにすぐれた人は見いだせないのであると、
源氏は物のおりごとに御息所を思った。
🪷月之渓 written by ilodolly 🪷
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