小説を絵にした物は、
見る人がすでに心に作っている幻想を
それに加えてみることによって絵の効果が
倍加されるものであるから
その種類の物が多い。
梅壺《うめつぼ》の王女御《おうにょご》のほうのは
古典的な価値の定まった物を絵にしたのが多く、
弘徽殿のは新作として
近ごろの世間に評判のよい物を描かせたのが多かったから、
見た目のにぎやかで派手なのはこちらにあった。
典侍《ないしのすけ》や内侍《ないし》や命婦《みょうぶ》も
絵の価値を論じることに一所懸命になっていた。
女院も宮中においでになるころであったから、
女官たちの論議する者を二つにして
説をたたかわせて御覧になった。
左右に分けられたのである。
梅壺方は左で、
平典侍《へいてんじ》、侍従の内侍、少将の命婦などで、
右方は
大弐の典侍、中将の命婦、兵衛《ひょうえ》の命婦などであった。
皆世間から有識者として認められている女性である。
🪻Reflections_of_Autumn🪻
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