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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語556 第17帖 絵合9】帝は何よりも絵に興味を持っておいでになり、斎宮の女御は絵をよく描くので 帝はそれがお気に入ってご寵愛も盛んになった。


こんなふうに隙間《すきま》もないふうに

二人の女御が侍しているのであったから、

兵部卿《ひょうぶきょう》の宮は女王の後宮入りを

実現させにくくて煩悶《はんもん》をしておいでになったが、

帝が青年におなりになったなら、

外戚の自分の娘を疎外あそばすことはなかろうと

なお希望をつないでおいでになった。

宮廷の二人の女御ははなやかに挑《いど》み合った。

 

帝は何よりも絵に興味を持っておいでになった。

特別にお好きなせいかお描きになることもお上手であった。

斎宮の女御は絵をよく描くのでそれがお気に入って、

女御の御殿へおいでになっては

ごいっしょに絵をお描きになることを楽しみにあそばした。

殿上の若い役人の中でも絵の描ける者を

特にお愛しになる帝であったから、

まして美しい人が、

雅味《がみ》のある絵を上手に墨で描いて、

からだを横たえながら、

次の筆の下《お》ろしようを考えたりしている可憐さが

御心《みこころ》に沁《し》んで、

しばしばこちらへおいでになるようになり、

御寵愛《ちょうあい》が見る見る盛んになった。

権中納言がそれを聞くと、

どこまでも負けぎらいな性質から

有名な画家の幾人を家にかかえて、

よい絵をよい紙に、

描かせることをひそかにさせていた。

🪷夏空、静寂、蝉しぐれ(Summer sky,silent,cicadas only singing)By 蒲鉾さちこ🪷

🌸第17帖 絵合(えあわせ)の内容はこちら

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