このごろは女院も御所に来ておいでになった。
帝は新しい女御の参ることをお聞きになって、
少年らしく興奮しておいでになった。
御年齢よりはずっと大人びた方なのである。
女院も、
「りっぱな方が女御に上がって来られるのですから、
お気をおつけになってお逢いなさい」
と御注意をあそばした。
帝は人知れず大人の女御は恥ずかしいであろうと思召されたが、
深更になってから上の御局《みつぼね》へ上がって来た女御は、
おとなしいおおような、
そして小柄な若々しい人であったから自然に愛をお感じになった。
弘徽殿《こきでん》の女御は早くからおそばに上がっていたから
その人を睦《むつ》まじい者に思召され、
この新女御《しんにょご》は品よく柔らかい魅力があるとともに、
源氏が大きな背景を作って、
きわめて大事に取り扱う点で侮りがたい人に思召されて
宿直《とのい》に召される数は正しく半々になっていたが、
少年らしくお遊びになる相手には弘徽殿がよくて、
昼などおいでになることは弘徽殿のほうが多かった。
権中納言は后《きさき》にも立てたい心で後宮に入れた娘に、
競争者のできたことで不安を感じていた。
🪷君と語らえば written by のる🪷
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