閑暇《かんか》な地位へお退《の》きになった現今の院は、
何事もなしうる主権に離れた寂しさというようなものを
お感じにならないであろうか、
自分であれば
世の中が恨めしくなるに違いないなどと思うと心が苦しくて、
何故女王を宮中へ入れるようなよけいなことを自分は考えついて
御心《みこころ》を悩ます結果を作ったのであろう、
お恨めしく思われた時代もあったが、
もともと優しい人情深い方であるのにと、
源氏は歎息《たんそく》をしながらしばらく考え込んでいた。
💐静かな余韻(Quiet suggestiveness) written by 蒲鉾さちこ💐
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