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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

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【源氏物語572 第17帖 絵合 25】桐壺院の学問にする考えや 源氏自身の絵に対する思いを 帥の宮に語る。

明け方近くなって古い回想から湿った心持ちになった源氏は

杯を取りながら帥《そつ》の宮に語った。

「私は子供の時代から学問を熱心にしていましたが、

 詩文の方面に進む傾向があると御覧になったのですか、

 院がこうおっしゃいました、

 文学というものは世間から重んぜられるせいか、

 そのほうのことを専門的にまでやる人の長寿と幸福を

 二つともそろって得ている人は少ない。

 不足のない身分は持っているのであるから、

 あながちに文学で名誉を得る必要はない。

 その心得でやらねばならないって。

 以来私に本格的な学問をいろいろとおさせになりましたが、

 できが悪い課目もなく、

 またすぐれた深い研究のできたこともありませんでした。

 絵を描くことだけは、それは大きいことではありませんが、

 満足のできるほど精神を集中させて描いて見たいという希望が

 おりおり起こったものですが、 

 思いがけなく放浪者になりました時に、

 はじめて大自然の美しさにも接する機会を得まして、

 描くべき物は十分に与えられたのですが、

 技巧がまずくて、

 思いどおりの物を紙上に表現することはできませんでした。

 そんなものですからこれだけをお目にかけることは

 恥ずかしくていたされませんから、

 今度のような機会に持ち出しただけなのですが、

 私の行為が突飛《とっぴ》なように評されないかと心配しております」

🪷花夜行 written by のる🪷

 

🌸第17帖 絵合(えあわせ)の内容はこちら

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