風流三昧《ざんまい》に暮らしうることと、
のちの世の勤めも十分にすることのほかはありませんが、
この世の思い出になることを一つでも残すことのできないのは
さすがに残念に思われます。
ただ二人の子供がございますが、
老い先ははるかで待ち遠しいものです。
失礼ですがあなたの手でこの家の名誉をお上げくだすって、
私の亡《な》くなりましたのちも
私の子供らを護《まも》っておやりください」
などと言った。
宮のお返事はおおようで、
しかも一言をたいした努力でお言いになるほどのものであるが、
源氏の心はまったくそれに惹《ひ》きつけられてしまって、
日の暮れるまでとどまっていた。
🪷🎼忘れ唄 written by のる
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