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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語301 第12帖 須磨35】源氏の手紙を見て衝撃を受け 泣き焦がれる紫の上。少納言は北山の僧都に祈祷を頼む。

京では須磨の使いのもたらした手紙によって

思い乱れる人が多かった。

二条の院の女王《にょおう》は

起き上がることもできないほどの衝撃を受けたのである。

れて泣く女王

女房たちはなだめかねて心細い思いをしていた。

源氏の使っていた手道具、

常に弾《ひ》いていた楽器、

脱いで行った衣服の香などから受ける感じは、

夫人にとっては人の死んだ跡のようにはげしいものらしかった。

 

夫人のこの状態がまた苦労で、

少納言は北山の僧都《そうず》に祈祷のことを頼んだ。

北山では哀れな肉親の夫人のためと、

源氏のために修法《しゅほう》をした。

夫人の歎《なげ》きの心が静まっていくことと、

幸福な日が

また二人の上に帰ってくることを仏に祈ったのである。

二条の院では夏の夜着類も作って須磨へ送ることにした。

無位無官の人の用いる※[#「糸+兼」、第3水準1-90-17]

《かとり》の絹の直衣《のうし》、

指貫《さしぬき》の仕立てられていくのを見ても、

かつて思いも寄らなかった悲哀を夫人は多く感じた。

 

【源氏物語 第十二帖 須磨(すま)】

朧月夜との仲が発覚し、追いつめられた光源氏は

後見する東宮に累が及ばないよう、

自ら須磨への退去を決意する。

左大臣家を始めとする親しい人々や藤壺に暇乞いをし、

東宮や女君たちには別れの文を送り、

一人残してゆく紫の上には領地や財産をすべて託した。

 

 須磨へ発つ直前、桐壺帝の御陵に参拝したところ、

生前の父帝の幻がはっきり目の前に現れ、

源氏は悲しみを新たにする。

 

須磨の侘び住まいで、

源氏は都の人々と便りを交わしたり

絵を描いたりしつつ、淋しい日々を送る。

つれづれの物語に明石の君の噂を聞き、

また都から頭中将がはるばる訪ねてきて、

一時の再会を喜び合った。

 

やがて三月上巳の日、

海辺で祓えを執り行った矢先に

恐ろしい嵐が須磨一帯を襲い、

源氏一行は皆恐怖におののいた。

 

🌙🎼沈む秋 written by のる🌙

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