google.com, pub-8944455872984568, DIRECT, f08c47fec0942fa0

源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

2023-07-07から1日間の記事一覧

【源氏物語307 第12帖 須磨41】どの人へも相手の心の慰むに足るような愛情を書き送っては 返事を得る喜びにまた自身を慰めている源氏であった

こうした運命に出逢う日を予知していましたなら、 どこよりも私はあなたとごいっしょの旅に 出てしまうべきだったなどと、 つれづれさから 癖になりました物思いの中にはそれがよく思われます。 心細いのです。 伊勢人の 波の上漕ぐ 小船《をぶね》にも うき…

【源氏物語306 第12帖 須磨40】御息所からは、情のある手紙が来た。使いの若い侍を逗留させて伊勢の話などを話させた。侍は源氏に会い喜びの涙を流していた。

源氏の手紙に衝動を受けた御息所は、 あとへあとへと書き続《つ》いで、 白い支那《しな》の紙 四、五枚を巻き続けてあった。 書風も美しかった。 愛していた人であったが、その人の過失的な行為を、 同情の欠けた心で見て恨んだりしたことから、 御息所も恋…

【源氏物語305 第12帖 須磨39】六条御息所の方に便りを出しだ源氏。典雅な筆つきの思いやりのある返事を寄越された。

源氏が須磨へ移った初めの記事の中に 筆者は書き洩《も》らしてしまったが 伊勢の御息所のほうへも源氏は使いを出したのであった。 あちらからもまたはるばると 文《ふみ》を持って使いがよこされた。 熱情的に書かれた手紙で、典雅な筆つきと見えた。 どう…

【源氏物語304 第12帖 須磨38】紫の上のよこした衣服類は洗練され趣味がよく、優れた女性に成長したことを源氏は嬉しく思う。

尚侍《ないしのかみ》のは、 浦にたく あまたにつつむ 恋なれば 燻《くゆ》る煙よ行く方《かた》ぞなき 今さら申し上げるまでもないことを略します。 という短いので、 中納言の君は悲しんでいる尚侍の哀れな状態を報じて来た。 身にしむ節々《ふしぶし》も…

【源氏物語303 第12帖 須磨37】入道の宮も東宮のために源氏が 逆境に沈んでいることを悲しんでおいでになった。尼になられた宮のお返事は以前に比べて情味があった。

入道の宮も東宮のために源氏が逆境に沈んでいることを 悲しんでおいでになった。 そのほか源氏との宿命の深さから思っても 宮のお歎《なげ》きは、複雑なものであるに違いない。 これまではただ世間が恐ろしくて、 少しの憐《あわれ》みを見せれば、 源氏は…

【源氏物語302 第12帖 須磨36】源氏がそこから出入りした戸口、よりかかっていることの多かった柱も見ては胸が悲しみでふさがる紫の上。

鏡の影ほどの確かさで 心は常にあなたから離れないだろうと言った、 恋しい人の面影はその言葉のとおりに目から離れなくても、 現実のことでないことは何にもならなかった。 源氏がそこから出入りした戸口、 よりかかっていることの多かった柱も見ては 胸が…

【源氏物語301 第12帖 須磨35】源氏の手紙を見て衝撃を受け 泣き焦がれる紫の上。少納言は北山の僧都に祈祷を頼む。

京では須磨の使いのもたらした手紙によって 思い乱れる人が多かった。 二条の院の女王《にょおう》は 起き上がることもできないほどの衝撃を受けたのである。 焦れて泣く女王を 女房たちはなだめかねて心細い思いをしていた。 源氏の使っていた手道具、 常に…

【源氏物語300 第12帖 須磨34】源氏は京に使いを出した。藤壺の宮、朧月夜の君、左大臣へも書き、若君の乳母の君へも 育児についての注意を書いて送った。

源氏は京へ使いを出すことにした。 二条の院へと入道の宮へとの手紙は容易に書けなかった。 宮へは、 松島の あまの苫屋《とまや》も いかならん 須磨の浦人 しほたるる頃《ころ》 いつもそうでございますが、 ことに五月雨にはいりましてからは、 悲しいこ…