google.com, pub-8944455872984568, DIRECT, f08c47fec0942fa0

源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語660 第21帖 乙女15】「(明石の上は)聡明な人らしいですね。姫君を産み 自分がつれていては子供の不幸になることを理解し、奥様に姫君を渡したことを感心して聞きました」内大臣はそう話した。

「その山荘の人というのは、幸福な人であるばかりでなく、

 すぐれた聡明《そうめい》な人らしいですね。

 私に預けてくだすったのは男の子一人で

 あの方の女の子もできていたら

 どんなによかったろうと思う女の子をその人は生んで、

 しかも自分がつれていては子供の不幸になることをよく理解して、

 りっぱな奥さんのほうへその子を渡したことなどを、

 感心なものだと私も話に聞きました」

 こんな話を大宮はあそばした。

「女は頭のよさでどんなにも出世ができるものですよ」

などと内大臣は人の批評をしていたのであるが、

それが自家の不幸な話に移っていった。

「私は女御を完全でなくても、

 どんなことも人より劣るような娘には

 育て上げなかったつもりなんですが、

 意外な人に負ける運命を持っていたのですね。

 人生はこんなに予期にはずれるものかと私は悲観的になりました。

 この子だけでも私は思うような幸運をになわせたい、

 東宮の御元服はもうそのうちのことであろうかと、

 心中ではその希望を持っていたのですが、

 今のお話の明石の幸運女が生んだお后の候補者が

 あとからずんずん生長してくるのですからね。

 その人が後宮へはいったら、ましてだれが競争できますか」

大臣が歎息するのを宮は御覧になって、

「必ずしもそうとは言われませんよ。

この家からお后の出ないようなことは絶対にないと私は思う。

そのおつもりでなくなられた大臣も女御の世話を引き受けて

皆なすったのだものね。

大臣がおいでになったらこんな意外な結果は見なかったでしょう」

この問題でだけ大宮は源氏を恨んでおいでになった。

🪷🎼千年物語 written by のる

 

少納言のホームページ 源氏物語&古典 少納言の部屋🪷ぜひご覧ください🌿

https://syounagon.jimdosite.com

 

🪷聴く古典文学 少納言チャンネルは、聴く古典文学動画。チャンネル登録お願いします🪷