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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語586 第19帖 薄雲17】大井の山荘は風流に住みなされていた。明石は源氏が見るたびに美が完成されていくと思う容姿を持っていて、この人は貴女に何ほども劣るところがない。

大井の山荘は風流に住みなされていた。

建物も普通の形式離れのした雅味のある家なのである。

明石は源氏が見るたびに

美が完成されていくと思う容姿を持っていて、

この人は貴女《きじょ》に何ほども劣るところがない。

身分から常識的に想像すれば、

ありうべくもないことと思うであろうが、

それも世間と相いれない偏狭な親の性格などが

禍《わざわ》いしているだけで、

家柄などは決して悪くはないのであるから、

かくあるのが自然であるとも源氏は思っていた。

逢っている時が短くて、

すぐに帰邸を思わねばならぬことを苦しがって、

「夢のわたりの浮き橋か」

(うち渡しつつ物をこそ思へ)と源氏は歎かれて、

十三絃の出ていたのを引き寄せ、

明石の秋の深夜に聞いた

上手な琵琶《びわ》の音《ね》もおもい出されるので、

自身はそれを弾《ひ》きながら、女にもぜひ弾けと勧めた。

明石は少し合わせて弾いた。

なぜこうまでりっぱなことばかりのできる女であろうと

源氏は思った。

🪷🎼On the way written by のる

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