私の若気のあやまちから浮き名を流させることになりました上、
私は一生恨めしい者と思われることになったのですが、
私は心苦しく思っているのでございます。
私は許されることなしにその人を死なせてしまいましたが、
亡くなります少し前に斎宮のことを言い出したのでございます。
私としましては、
さすがに聞いた以上は遺言を実行する誠意のある者として
頼んで行くのであると思えてうれしゅうございまして、
無関係な人でも、
孤児の境遇になった人には同情されるものなのですから、
まして以前のことがございまして、
亡くなりましたあとでも、
昔の恨みを忘れてもらえるほどのことをしたいと思いまして、
斎宮の将来をいろいろと考えている次第なのですが、
陛下もずいぶん大人らしくはなっていらっしゃいますが、
お年からいえばまだお若いのですから、
少しお年上の女御《にょご》が侍していられる必要があるかとも
思われるのでございます。
それもしかしながらあなた様がこうするようにと
仰せになるのに随《したが》わせていただこうと思います」
🌿雨音落ちる日(A day,hear the sound of rain)by 蒲鉾さちこ🌿
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