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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

2023-07-25から1日間の記事一覧

【源氏物語477 第14帖 澪標51】非常に衰弱の見える昔の恋人のために源氏は泣いた。どれほど愛していたかをこの人に実証して見せることができないままで死別をせねばならぬかと残念でならないのである。

源氏は聞いて、恋人として考えるよりも、 首肯される意見を持つよき相談相手と信じていた その人の生命《いのち》が惜しまれて、 驚きながら六条邸を見舞った。 源氏は真心から御息所をいたわり、 御息所を慰める言葉を続けた。 病床の近くに源氏の座があっ…

【源氏物語476 第14帖 澪標50】にわかに重い病気になって心細くなった御息所は、伊勢という神の境にあって仏教に遠ざかっていた幾年かのことが恐ろしく思われて尼になった。

斎宮がどんなにりっぱな貴女になっておいでになるであろうと、 それを目に見たく思っていた。 御息所は六条の旧邸をよく修繕して あくまでも高雅なふうに暮らしていた。 洗練された趣味は今も豊かで、 よい女房の多い所として風流男の訪問が絶えない。 寂し…

【源氏物語475 第14帖澪標49】斎宮もお変わりになって六条御息所は伊勢から帰ってきた。もう二人に友人以上の交渉があってはならないと御息所は決めていたから、源氏も訪ねて行こうとはしなかった。

この御代《みよ》になった初めに斎宮もお変わりになって、 六条の御息所《みやすどころ》は伊勢《いせ》から帰って来た。 それ以来源氏はいろいろと昔以上の好意を表しているのであるが、 なお若かった日すらも恨めしい所のあった源氏の心の いわば余炎ほど…