源氏は院の御為《おんため》に
法華経《ほけきょう》の八講を行なう準備をさせていた。
東宮にお目にかかると、
ずっとお身大きくなっておいでになって、
珍しい源氏の出仕をお喜びになるのを、
限りもなくおかわいそうに源氏は思った。
学問もよくおできになって、
御位《みくらい》におつきになってもさしつかえはないと
思われるほど御聡明《そうめい》であることがうかがわれた。
少し日がたって気の落ち着いたころに御訪問した入道の宮ででも、
感慨無量な御会談があったはずである。
🪷🎼Petals of lotus written by こおろぎ🪷
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