私はこの女を愛しているのではない。
それはただそれだけの恋ですよ。
そこの風景が目に浮かんできたりする時々に、
私は当時の気持ちになってね、
つい歎息《たんそく》が口から出るのですよ。
なんでも気にするのですね」
などと、
恨みを言いながら上包みに書かれた字だけを夫人に見せた。
品のよい手跡で貴女《きじょ》も恥ずかしいほどなのを見て、
夫人はこうだからであると思った。
❄️🎼去りゆく冬を謳う written by 小林 樹 ❄️
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