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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語418 第13帖 明石80】夫人や乳母に恨み言を言われるし、入道の心は疲れ果てた。昼間は寝て夜は起き出す。池に落ちたり、岩角に腰を下ろし損ねて怪我もした。

 

妻と乳母《めのと》とが口々に入道を批難した。

「お嬢様を御幸福な方にしてお見上げしたいと、

 どんなに長い間祈って来たことでしょう。

 いよいよそれが実現されますことかと存じておりましたのに、

 お気の毒な御経験をあそばすことになったのでございますね。

 最初の御結婚で」

こう言って歎《なげ》く人たちもかわいそうに思われて、

そんなこと、こんなことで入道の心は前よりずっとぼけていった。

昼は終日寝ているかと思うと、

夜は起き出して行く。

「数珠《じゅず》の置き所も知れなくしてしまった」

と両手を擦《す》り合わせて

絶望的な歎息《たんそく》をしているのであった。

弟子たちに批難されては月夜に出て

御堂《みどう》の行道《ぎょうどう》をするが池に落ちてしまう。

風流に作った庭の岩角《いわかど》に腰をおろしそこねて

怪我《けが》をした時には、

その痛みのある間だけ煩悶《はんもん》をせずにいた。

🍂🎼悲しみに寄りそって written by alaki paca🍂

 

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