それきり起居《たちい》もよろよろとするふうである。
明石の君の心は悲しみに満たされていた。
外へは現わすまいとするのであるが、
自身の薄倖《はっこう》であることが悲しみの根本になっていて、
捨てて行く恨めしい源氏が
また恋しい面影になって見えるせつなさは、
泣いて僅かに洩《も》らすほかはどうしようもない。
母の夫人もなだめかねていた。
🍂🎼悲しみに沈む written by lei🍂
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