google.com, pub-8944455872984568, DIRECT, f08c47fec0942fa0

源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語314 第12帖 須磨48】源氏が「釈迦牟尼仏弟子《しゃかむにぶつでし》」と名のって経文をそらよみしている声もきわめて優雅に聞こえた。

美しい源氏と暮らしていることを無上の幸福に思って、

四、五人はいつも離れずに付き添っていた。

庭の秋草の花のいろいろに咲き乱れた夕方に、

海の見える廊のほうへ出てながめている源氏の美しさは、

あたりの物が皆

素描《あらがき》の画《え》のような寂しい物であるだけ

いっそう目に立って、

この世界のものとは思えないのである。

柔らかい白の綾《あや》に薄紫を重ねて、

藍《あい》がかった直衣《のうし》を、

帯もゆるくおおように締めた姿で立ち

釈迦牟尼仏弟子《しゃかむにぶつでし》」と名のって

経文を暗誦《そらよ》みしている声も

きわめて優雅に聞こえた。

 

幾つかの船が唄声《うたごえ》を立てながら

沖のほうを漕《こ》ぎまわっていた。

形はほのかで鳥が浮いているほどにしか見えぬ船で

心細い気がするのであった。

上を通る一列の雁《かり》の声が楫《かじ》の音によく似ていた。

涙を払う源氏の手の色が、

掛けた黒木の数珠に引き立って見える美しさは、

故郷《ふるさと》の女恋しくなっている青年たちの心を

十分に緩和させる力があった。

 

【源氏物語 第十二帖 須磨(すま)】

朧月夜との仲が発覚し、追いつめられた光源氏は

後見する東宮に累が及ばないよう、

自ら須磨への退去を決意する。

左大臣家を始めとする親しい人々や藤壺に暇乞いをし、

東宮や女君たちには別れの文を送り、

一人残してゆく紫の上には領地や財産をすべて託した。

 

 須磨へ発つ直前、桐壺帝の御陵に参拝したところ、

生前の父帝の幻がはっきり目の前に現れ、

源氏は悲しみを新たにする。

 

須磨の侘び住まいで、

源氏は都の人々と便りを交わしたり

絵を描いたりしつつ、淋しい日々を送る。

つれづれの物語に明石の君の噂を聞き、

また都から頭中将がはるばる訪ねてきて、

一時の再会を喜び合った。

 

やがて三月上巳の日、

海辺で祓えを執り行った矢先に

恐ろしい嵐が須磨一帯を襲い、

源氏一行は皆恐怖におののいた。

 

🌊🎼 Blue Water written by MATSU🌊

 

少納言のホームページ 源氏物語&古典 syounagon-web ぜひご覧ください🪷

https://syounagon-web-1.jimdosite.com

🪷聴く古典文学 少納言チャンネルは、聴く古典文学動画です。チャンネル登録お願いします🪷