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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語269 第12帖 須磨3】女君達は皆 心を痛めている。藤壺の宮からも遠慮あそばしながらの御慰問が始終 源氏にあった。

💠🎼やまない雨を見ていた written by キュス💠

花散里《はなちるさと》の君も、

源氏の通って来ることは少なくても、

一家の生活は全部 源氏の保護があってできているのであるから、

この変動の前に心をいためているのは

もっともなことと言わねばならない。

源氏の心にたいした愛があったのではなくても、

とにかく情人として時々通って来ていた所々では、

人知れず心をいためている女も多数にあった。

入道の宮からも、

またこんなことで自身の立場を

不利に導く取り沙汰が作られるかもしれぬという遠慮を

世間へあそばしながらの御慰問が始終源氏にあった。

昔の日にこの熱情が

見せていただけたことであったならと源氏は思って、

この方のために始終物思いをせねばならぬ運命が恨めしかった。

 

【源氏物語 第十二帖 須磨(すま)】

朧月夜との仲が発覚し、追いつめられた光源氏は

後見する東宮に累が及ばないよう、

自ら須磨への退去を決意する。

左大臣家を始めとする親しい人々や藤壺に暇乞いをし、

東宮や女君たちには別れの文を送り、

一人残してゆく紫の上には領地や財産をすべて託した。

 

 須磨へ発つ直前、桐壺帝の御陵に参拝したところ、

生前の父帝の幻がはっきり目の前に現れ、

源氏は悲しみを新たにする。

 

須磨の侘び住まいで、

源氏は都の人々と便りを交わしたり

絵を描いたりしつつ、淋しい日々を送る。

つれづれの物語に明石の君の噂を聞き、

また都から頭中将がはるばる訪ねてきて、

一時の再会を喜び合った。

 

やがて三月上巳の日、

海辺で祓えを執り行った矢先に

恐ろしい嵐が須磨一帯を襲い、

源氏一行は皆恐怖におののいた。

 

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